子供がかかる喉の痛みを引き起こす病気、溶連菌感染症とは

2019/2/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

子供が喉を痛がる場合、「風邪かな?」と思うことが多いと思います。しかし、ひとくちに喉の痛みといってもさまざまな原因があり、なかでも溶連菌(ようれんきん)感染症には注意が必要です。今回は喉の痛みや湿疹を引き起こす、溶連菌感染症についてまとめました。喉が痛い時にオススメの食べ物もあわせてご紹介します。

子供が「喉が痛い」と言うとき、考えられる病気は?

時折、子供が「喉が痛い」と訴えることがあります。ウイルスや細菌に感染したせいで喉の炎症や扁桃炎を起こしているため、痛みが出ている状態です。

子供の喉の痛みの原因

原因としては風邪やインフルエンザが多いですが、夏場は「アデノウイルス」というウイルスに感染すると起きる咽頭結膜熱(プール熱)が多い傾向にあります。

さらに、注意が必要なのは溶連菌感染症という細菌による感染症です。この病気は感染力が強く、重症化すると心臓の弁膜に障害を起こしかねない「リウマチ熱」や、「急性糸球体腎炎」などの続発症(合併症)を起こす可能性があるからです。

今回は溶連菌感染症について詳しくご紹介します。症状が当てはまる方は病院に行き、医師に相談した方が良いでしょう。

溶連菌感染症ってどんな病気?

溶連菌感染症とは「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌に感染することで起きる病気で、喉の炎症や扁桃炎、喉頭炎といった症状が出ます。さらに猩紅熱(しょうこうねつ)という、皮膚などに小さくて赤い湿疹が出る病気も併発する場合があります。

溶連菌感染症の主な症状

  • 発熱(38~39℃)
  • 頭痛
  • 喉の痛み
  • 喉の赤さ
  • 舌にイチゴに似たツブツブができる(イチゴ舌)
  • 腹痛
  • 首筋のリンパ節の腫れ
  • 咳や鼻水はほぼない

溶連菌感染症は潜伏期間があり、感染後2~5日で症状が出る人が多いです。発熱が特徴ですが、3歳未満の乳幼児はあまり熱が上がらない場合があります。

また、溶連菌感染症の大きな特徴は、喉の痛みと発熱があるにもかかわらず、風邪と違って咳や鼻水がほぼないことです。

溶連菌感染症による喉の痛みはいつまで続く?

溶連菌感染症の症状を抑えるためには、細菌に効く抗生物質を服用します。2~3日で喉の痛みが薄れ、熱も下がってくるでしょう。

手足などに湿疹が出ることもありますが、急性期を過ぎると皮がむけてきます。「喉の痛みも減ったし、皮がむけてきたから治った」と思う人もいるようですが、症状がなくなった後も、溶連菌は体内に残っている可能性があるため、抗生物質を飲み続ける必要があります

一部の抗生物質を除いて、一般的な抗生物質は5日から10日間飲み続けることになっています。たとえ3日ほどで完全に熱などの症状がなくなったとしても、必ず医師の指示通りにすべて飲み切りましょう

特に子供は治ったと思ったら飲みたがらないため、飲み終えるまできちんとチェックしてあげることが大切です。

喉が痛いと訴えるときにおススメの食べ物は?

溶連菌感染症などで喉が痛いときは、極端に熱いものや刺激物などを控え、消化によく、飲み込みやすいものを用意してあげるとよいでしょう。

控えた方がよい食べ物

  • 熱いもの(熱々のホットドリンクなど)
  • 極度に冷たいもの(氷の沢山入ったジュースなど)
  • 辛いもの(唐辛子をかけた熱いうどん、激辛スープなど)
  • 酸っぱいもの(極度に酸味の強いレモン飴など)
  • 苦すぎるもの(生に近いニガウリなど)

喉に刺激が少ない食べ物

  • 飲み込みやすいもの(ヨーグルト、ゼリー、プリン、ポタージュスープなど)
  • 消化に良いもの(おかゆ、柔らかいうどん、豆腐、茶碗蒸し、野菜の煮物、白身の魚の煮付けなど)

基本的にぬるめの温度で優しい味付けの飲食物が良いとされています。喉の痛みや熱がとれるまでは、食事にも気をつけると良いでしょう。

おわりに:喉の痛みが溶連菌感染症だったら、抗生物質を最後まで飲み切ろう

感染症は人から人へうつるため、どんなに気をつけていても感染する場合があります。大切なのは抗生物質を最後まで飲み、症状が出ている間は食事などに気をつけることです。

「喉がとても痛くて熱もある」場合は、すぐに病院に行くことも肝心です。無理をすると悪化しますし、感染が広がる可能性があります。溶連菌感染症も含め、病気は早期発見・早期治療が肝心です。早めの受診で深刻な合併症が起きるリスクを減らすこともできます。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

アデノウイルス(15) プール熱(10) 咽頭結膜熱(8) 溶連菌感染症(17) 子供の喉の痛み(1)