記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/12/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子どもの「のどの痛み」は、普通の風邪が原因で起こることもありますが、溶連菌感染症が原因の可能性もあります。溶連菌感染症は、重症化すると深刻な状態に陥ることもあり、治療中・療養中にも注意点があります。この記事では、子どもの「のどの痛み」と溶連菌感染症の注意点について解説していきます。
子どもが「のどが痛い」と言ってきたとき、ウイルス・細菌により以下の感染症になり、のどの炎症や扁桃炎などを起こしている可能性があります。
溶連菌感染症とは、溶連菌(溶血性連鎖球菌)という細菌が原因の感染症で、のどの炎症・扁桃炎・喉頭炎などを引き起こし、猩紅熱(しょうこうねつ:皮膚などに小さくて赤い湿疹が現れる疾患)を併発することもあります。溶連菌感染症は感染力が強く、重症化するとリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの深刻な続発症(合併症)を起こす可能性があるため注意が必要です。
溶連菌感染症になると、おもに以下の症状が現れます。
溶連菌感染症は、のどの痛みと発熱がみられますが、風邪と違い、せき・鼻水があまり現れない傾向にあります。なお、発熱することが多いですが、3歳未満の乳幼児はあまり熱が上がらない場合があります。一般的には、感染後2~5日で症状が現れる人が多いといわれています。
溶連菌感染症の治療では抗菌薬が処方され、一般的には、のどの痛みは2日~3日で緩和し始め、熱も下がってくるといわれています。溶連菌感染症では手足などに湿疹が現れることもありますが、急性期を過ぎると皮がむけて快方に向かいます。ただし、症状がなくなった後も溶連菌は体内に残っている可能性があるため、処方された抗菌薬を医師の指示通り飲み続ける必要があります。
溶連菌感染症などで、のどに痛みがある子どもには、熱い食べものや飲みもの、刺激物など、のどを刺激する食べもの・飲みものを控えるようにしましょう。子どもの食事には、消化によく、飲み込みやすいものを用意してあげましょう。基本的には、ぬるめの温度でやさしい味付けの飲食物が良いとされています。
子どもが「のどが痛い」と言ってきたときは、ただの風邪ではなく、溶連菌感染症の可能性があります。溶連菌感染症の治療では抗菌薬の服用が必要になり、基本的には症状が治まっても最後まで服用する必要があります。溶連菌感染症に限らず、処方された薬は医師の指示通り服用することが大切です。また、溶連菌感染症では強いのどの痛みが起こる傾向にあり、痛みで食事が摂れなくなることもあるので、食べやすくて飲み込みやすい、消化に良い食べ物を用意してあげてください。
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