記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/10 記事改定日: 2018/3/23
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中は多くの妊婦さんが頭痛に悩まされるといわれています。
でも、赤ちゃんのことを考えると気軽に薬は飲めませんよね。
この記事では、妊娠中の頭痛の原因と対処法・予防法について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
妊娠中に頭痛が起きる主な原因は、ホルモンの変化にあると考えられています。また、次のよう原因が重なって頭痛が引き起こされることもあります。
妊娠中、多くの妊婦さんが頭痛を経験します。これまでは頭痛がなかった人にも起こることがあります。妊娠中の頭痛の大部分は苦痛を伴いますが、大半が深刻なものではなく、心配する必要がないものです。しかし、頭痛が何時間も続いたり、発熱や視覚障害、突然の体重増加、顔や手のむくみといった他の症状がある場合は、恐ろしい合併症の危険がありますから早めに病院を受診しましょう。
妊娠中、頭痛に悩む妊婦さんは多くいます。その大部分は、ホルモンの変化によるものでゆっくり休めば自然とよくなりますが、中には何らかの病気が隠されている可能性があるので注意しましょう。
最も恐ろしい頭痛の原因は、妊娠高血圧症候群などを発症して急激に血圧が上昇することです。血圧が急上昇することで、「高血圧緊張症」と呼ばれる頭痛などの症状が引き起こされている可能性があります。また、中には血圧の上昇によって脳内出血を引き起こすこともあるので注意が必要です。高血圧による頭痛はめまいや吐き気を伴うのが特徴で、その他にも急激なむくみや体重増加などの症状を引き起こします。心当たりがある場合にはなるべく早めに病院を受診しましょう。
また、妊娠中は肩や首の血行が悪くなることがあるため、「筋緊張性頭痛」を発症しやすくなります。筋緊張性頭痛はこめかみや額を中心に強い痛みが生じるのが特徴で、痛みがある場所を温めると症状改善が見られます。その他にも、貧血による頭痛や片頭痛など様々な病気が考えられます。
妊娠初期はホルモンバランスの変化だけでなく、つわりによる脱水や貧血も起こりやすい時期です。脱水や貧血は体の中に素早く血液を送ろうとして心拍数が上がり、頭の血管が刺激されてこめかみや目の周りがズキズキ痛むことがあります。
また、妊娠したことで分泌が増加するエストロゲンには血管を広げる作用があります。頭の血管が広げられることで血管周りの神経を刺激して片頭痛が起こることがあり、一般的に後頭部から首にかけての痛みを感じる人が多いです。
妊娠中期はつわりも治まり、体調がよくなると感じ人が多いでしょう。しかし、どんどんお腹が大きくなり、無意識に体に力が入ってしまうことで肩や首が凝りやすいものです。肩や首のコリはひどくなると緊張型頭痛という頭痛を引き起こします。
緊張型頭痛は、頭の全周を強い力で押さえつけて締め上げられたような痛みを感じるのが特徴です。時には吐き気やめまいなどを伴うこともありますから注意が必要です。
妊娠後期に多い頭痛の原因は、貧血と水分不足です。初期ではつわりによる脱水と貧血が問題になりましたが、妊娠後期では体が出産に備えるために水分や鉄分を多く必要とし、水分不足や貧血になりやすくなります。
また、お腹が大きくなりすぎて思うように運動ができず、全身の血行が悪くなることやストレスや出産への緊張が増すことも頭痛の原因と考えられています。
妊娠中でも安全に頭痛を改善する方法があります。以下の方法を試してみましょう。
暗くて静かな部屋で数分間横になるようにしましょう。
もし職場にいる場合は目を閉じてしばらくの間足を上げるような体勢を取るか、氷まくらや冷湿布を額や首の後ろにあててリラックスしてみましょう。
鼻詰まりが原因で頭痛が起きている場合は、鼻詰まりを改善するために蒸気を吸入し、加湿器で湿度を上げましょう。
痛みのある部分に熱湿布と冷湿布を当てるのも効果的です。1日に4回、30秒ずつ交互に合計10分間当てましょう。また、水分をしっかりとると粘液が流れやすくなります。
副鼻腔の感染症が本当に頭痛の原因かどうかは医師に相談してみてください。
頭痛が起きても、妊娠中の場合はイブプロフェンは服用できません。しかし、アセトアミノフェンは頭痛を和らげ、妊娠中期までなら安全であると考えられています。適切な用量については必ず医師に確認してください。
また、アスピリンは服用する前に医師に相談しましょう。自己判断で市販の鎮痛薬を服用してはいけません。
避けられない頭痛もありますが、以下の方法は頭痛を予防するのに効果的と考えられています。
一日を通して定期的に食事をとるようにしましょう。食事を抜くことによって低血糖になると頭痛を引き起こす可能性があり、またお菓子をたくさん食べた後に起こる血糖値の急上昇も頭痛の原因となります。なるべく全粒粉クラッカー、ドライフルーツやナッツ、栄養価の高いグラノーラバーを携帯し、いつでも軽食をとれるようにしましょう。
疲れを感じやすい妊娠初期と後期は特に十分な休息が大切です。
しかし、睡眠をとり過ぎると頭が痛くなることがありますから注意が必要です。
チョコレート、チーズ、アイスクリーム、加工肉など、頭痛を引き起こす可能性がある食べ物もあります。食べ物に注意することで頭痛を予防しましょう。
妊娠中、カフェインの摂取量を急に減らすと、カフェイン離脱による頭痛が起こる可能性があります。コーヒーを1日1杯飲んでいたなら、完全にやめる前にカップ半分に減らしてみましょう。炭酸水の場合も同様です。
暑くて風通しの悪い場所や悪臭がする場所は避け、身体が暑くなる前に脱げるように、脱ぎ着しやすい服を着ましょう。1日に2〜3回は、新鮮な空気を吸いに出かけるか、少なくとも窓を開けるようにしてください。
騒音も頭痛の原因となります。騒音に敏感な場合は、必ず避けるようにしてください。
長時間、前かがみになって作業をするのはやめましょう。
ストレスによって頭痛が起こることがあるため、予防のために、マタニティヨガ、鍼灸、指圧、マッサージなどの代替医療を試してみるのもいいかもしれません。
いかがでしょうか。妊娠してない状態であればとりあえず鎮痛薬に頼るということもできますが、妊娠中はそうはいきません。生活習慣や環境を整えたり、休息をとったりすることで痛みが和らぐ場合もありますので、きちんと対策をとっていきましょう。
妊娠中の頭痛にお悩みなら、ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。
この記事の続きはこちら