記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ずっと欲しかった赤ちゃん、でもいざ妊娠となると不安が頭をもたげてきます。
でも、これからどんなことが起きるのかわかれば、その不安も少しは軽くなりますね。
この記事では、妊娠中、特に妊娠後期の経過について、あなたの体に起こる変化を中心にまとめました。
赤ちゃんがおなかの中で動き回っているために、胎動をたくさん感じるようになるでしょう。おなかもどんどん大きくなってきます。そのときに以下のような症状を伴うことがあります。
おなかが大きくなるにつれて、おなかの下の方を支える円靭帯が延びるときに、差し込むような痛みを感じることがあります。これについては、無理をせずに様子を見ることしかできません。
この時期は、体にかかる負担が大きくなるため、疲れやすくなります。食事の回数を増やすなどしてよく食べ、よく体を動かし、よく眠りましょう。
妊娠の終わり頃になると、子宮が胃を圧迫するため、胃の中にあるものが上に押されます。そのため、胸焼けが続くことがあります。ひどい場合は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーなどの妊娠中にも服用できる薬の処方について、医者に相談しましょう。
体が出産の準備をしているために起こる反応で、本物の陣痛が来る前に不規則に来る陣痛のことです。
血液が余計に体内を循環することで、下半身に瘤ができることがあります。痔も、静脈瘤の一種です。出産後には消える可能性が高いです。
妊娠中に皮膚が限界まで伸びるために、小さな亀裂が生じることでできる線です。
妊娠線を目立たなくするためには、保湿が効果的です。
妊娠ホルモンであるリラキシンの影響で関節が緩み、おなかが大きくなることで重心が前にきて、腰が痛くなることがあります。このため、体を動かしたくなくなる妊婦さんも多いでしょう。
一方で、背中から脚にかけて差し込むような痛みを感じることがあります。その場合は、坐骨神経痛も考えられます。
くしゃみをすると、尿漏れをしてしまうこともあります。骨盤領域に体重がかかっているので無理もありません。
予定日が近づくにつれて、出産が始まる前の症状によく似た症状が現れることもあります。具体的には以下のようなものです。
妊娠36週ごろになると、赤ちゃんが骨盤に降りてくるため、歩き方もよたよたした足取りになります。
ピンク色あるいは茶色がかった粘り気のある粘液が見られます。それは、出産が近いことを意味しています。また、粘液栓(子宮を外界から封じ込めるもの)が出てくることがありますが、気づく人もいますし、気づかない人もいます。
前駆陣痛と異なり、本陣痛は、体を動かせば動かすほど、強くなります。
陣痛が始まって病院に着くまで発生しないこともあります。
どの時点でも、膣からの激しい出血や、高熱が出たとき、下腹部に激しい痛みを感じたとき、急に体重が増えたとき、早期陣痛がきたときなど、医師に連絡してください。
妊娠後期は、出産が近づいているときです。出産までの経過は人によっても違いますが、もう少しであなたの赤ちゃんに対面できるのです。赤ちゃんのためにも、体調の変化に注意しましょう。不安な時は、すぐ医師に相談しましょう。