記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/21 記事改定日: 2019/1/9
記事改定回数:2回
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
脈が異様に速くなったり、遅くなったりする不整脈。この不整脈の症状に加え、めまいやだるさも見られたら、危険のサインかもしれません。当てはまるものはないか、以下で不整脈の症状をチェックしてみましょう。
心臓には心房と心室があり、心房は流れてくる血液を溜め込むタンクの役割を、心室は各臓器や筋肉に血液を送るポンプの役割を果たしています。心房の間の壁が同時に収縮することで、血液が心室に押し込まれます。その収縮は洞房結節と呼ばれる天然のペースメーカーが送り出す電気信号によって制御されています。
しかし、洞房結節が異常な神経刺激をうけたり、血液中のホルモンが作用した場合に、収縮速度を維持できなくなってしまって不整脈が起こってしまいます。
軽度の不整脈は、アルコールやカフェインの過剰摂取、喫煙、ストレスまたは運動によって引き起こされます。その他の原因としては、心疾患、特に冠動脈疾患、心臓弁機能異常および心不全が考えられ、注意が必要なものもあります。
不整脈には、脈がかなり速くなる「頻脈」、遅くなる「徐脈」、脈が飛んだりリズムが乱れる「期外収縮」の3種類があり、種類によって症状は異なります。
以下で症状を確認しながらチェックし、当てはまる症状がある場合は病院を受診しましょう。
不整脈とともにめまいが起こる場合は、「頻脈」の可能性が高いです。頻脈になると脈拍数の増加に伴い、以下の症状が現れます。
これらの症状が続き、徐々に悪化している場合は心房細動を起こしている可能性があります。すぐに病院を受診してください。
脈が遅く、だるいのであれば「徐脈」の可能性があります。体を動かすのが困難になり、以下の症状が現れます。
これらの症状がおさまらない場合は、心不全の可能性もあるので要注意です。
胸の痛みを感じる場合は、「期外収縮」の可能性があります。期外収縮は、多くの場合ほとんど自覚症状がありませんが、人によっては以下の症状が出ることがあります。
なお、胸の痛みがずっと続く場合は心筋梗塞、脈のリズムが不規則な場合は心房細動を起こしている可能性があるので、病院を受診しましょう。
先述の3種類の不整脈のうち、脈が飛ぶタイプの期外収縮は、放置しても問題ないものが大半です。しかし、「頻脈」タイプの不整脈は危険性が高いので注意が必要です。特にリスクの大きい頻脈性の不整脈には、以下の種類があります。
なお、「徐脈」タイプの不整脈も、心停止を招く恐れがあるので危険です。
軽度の不整脈は治療の必要はありませんが、別の原因(心疾患等)が不整脈を引き起こしている場合、治療が必要となります。不整脈が深刻な場合、次のような治療法があります。
不整脈の症状を和らげる日常生活上の対処法として、以下のようなものが挙げられます。
ただし、これらの対処法はあくまで治療の必要がない不整脈への対処法や、病院での治療と並行して行うべき日常生活上の注意点です。
不整脈には病院での適切な治療を継続しなければならないものも多くあり、これらの対処法だけで症状を改善することはできません。まずは危険度の高い不整脈であるかどうかを検査し、医師の指示に従って治療を行うようにしましょう。
不整脈にはいくつかの種類があり、治療を必要としないものもあります。しかし、心室細動などのタイプの不整脈は、心停止や脳卒中などの重篤な状態を招く危険性が高いです。ご自身の症状をチェックし、不整脈に加えて動悸やめまい、激しい息切れ、意識障害などの異変があれば、速やかに病院を受診しましょう。
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