記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2021/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ストレスの影響で現れる不調に自律神経症状があります。自律神経症状はセルフケアで改善できる場合もありますが、病気が原因の場合や長期化、深刻化した場合には専門的な治療が必要になる場合もあります。
今回は、自律神経の不調の原因と、自律神経の不調によって現れる症状や心身の変化について解説します。自分自身だけでなく、家族や友人の早期発見にも役立ちますので、ぜひチェックしてみてください。
自律神経には、心身を活動的な状態や緊張状態へ促す「交感神経」と、休息状態やリラックス状態へ促す「副交感神経」の2種類があります。交感神経と副交感神経は、それぞれが対になり活発化と沈静化を繰り返してバランスをとりながら、全身の臓器や組織の働きを調整しています。
たとえば、心身が活動的な状態や緊張した状態にならなければいけないときは、それぞれの臓器や組織も活発に活動する必要が出てきます。酸素や栄養をどんどん供給するために、心拍数を増やし、血管を収縮させて血圧を上昇させます。このときに活性化して優位になるのが交感神経です。
対して、心身が休息している状態やリラックスした状態にならなければいけないときは、心拍数を減らして心臓や血管への負担を少なくし、効率よく栄養を消化、吸収するために消化器官の働きを促します。このときに活性化して優位になるのが副交感神経です。
また、活動的な状態、緊張した状態にならなければいけないときは、周囲に危険がないかを敏感に察知できるようにするために、交感神経は精神面の緊張を高めて、「不安な状態」を作ります。対して、休息している状態やリラックスした状態にならなければいけないときは、しっかり睡眠や休息をとれるにするために精神面の緊張をゆるませ、心身をリラックスした状態に促すのです。
リラックスのためには副交感神経が大切ではありますが、仕事や日常活動には「緊張が必要な場面」もあるため、交感神経も適度に働かせる必要があります。交感神経と副交感神経が、それぞれ適度に働いている状態が、自律神経のバランスが整っている状態です。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態が続くと、ホルモンバランスが崩れたり、体内の器官や組織がうまく働かなくなってしまったりすることで、以下の症状や不調が現れるようになります。
自律神経のバランスが崩れる原因は、ストレス、不適切な生活習慣、心身の病気・不調に大きく分けられます。原因は、ひとつだけの場合もありますが、複数の原因が複雑に絡み合っていることもあります。
自律神経のバランスが崩れた状態が長く続くと、自律神経失調症を発症し、回復までに時間がかかる場合があります。また、病気が原因で自律神経のバランスが崩れて自律神経症状が出ている場合は、原因となる病気自体の治療も必要です。
自律神経症状が疑われるような「気になる症状や変化」に気づいたときは、早めに医師に相談しましょう。
自律神経の不調にはさまざまな原因があることは上記で説明しましたが、現代においては、ストレスや生活習慣が原因になっていることも多いといわれています。
ストレスや生活習慣が原因の不調は、ストレスを避けてこまめにストレスを解消する、食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことで改善することもありますが、単独の対策やセルフケアだけでは難しい場合もあります。
自律神経の不調の改善には、自律神経症状を緩和する対症療法と原因を取り除く対策の両方が必要になる場合があります。セルフケアしても良くならない場合や原因がわからない不調が続いている場合は、早めに医師に相談しましょう。
自律神経の不調は、「はっきりとした症状」として現れないことがあります。どのような病気や不調も同様ですが、早期発見と早期対策(早期治療)が大切です。
はっきりとした症状が現れていなくても、以下の変化がみられるときは注意しましょう。また、自分自身では気づきにくい場合もありますので、家族や友人、同僚など、周囲の人も気を配るようにしてください。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交互に活性化しながらバランスをとっています。ストレスや生活習慣、何らかの病気が原因で自律神経のバランスが崩れると、頭痛や肩こり、めまい、耳鳴り、胃腸症状、動悸、息切れ、心の不調などの自律神経症状が現れるようになります。
自律神経の不調が長引くと自律神経失調症に進行する場合があり専門的な治療が必要になります。また、病気が原因の場合は原因となる病気の治療も必要です。病気が原因の場合はもちろんですが、ストレスや生活習慣が原因の自律神経の不調も早期発見が重要になってきます。はっきりした症状が現れないことも多いので、気になる症状や変化に気づいたときは、早めに医師に相談しましょう。
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