記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/7/1 PR 記事改定日: 2018/8/30
記事改定回数:2回
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
トイレに行ってもすっきりしない、何度もトイレに行ってしまうといった症状があるとき、もしかして膀胱炎かな・・・と思うかもしれません。
膀胱炎かどうかが不安で泌尿器科に行ったとき、どんな検査をするのでしょうか。この記事では、膀胱炎の検査方法を中心に、原因や症状、予防法などについても解説します。
膀胱炎かどうかを診断するとき、医師は問診した後、尿検査や尿培養検査を行います。
医師は患者にどんな症状が出ているかや、過去の病歴などを尋ねます。尿の回数が増えている、排尿時痛がある、血尿が出ているといった症状があれば、このときに医師に伝えましょう。
尿検査では、尿の中にどのくらい細菌や白血球(感染症と戦う細胞)が存在しているかどうかを検査します。細菌は健康な人の尿にも含まれるため(無症候性細菌尿と言います)、医師は患者の症状と尿検査の結果を総合的に見て、膀胱炎の診断をします。
尿培養検査では、医師が採取した患者の尿の中の細菌を培養し、どのタイプの細菌が膀胱炎を引き起こしているのかを検査します。この検査はすべての患者に行われるものではなく、膀胱炎を繰り返し発症している人や、特定の病状がある人に行われる場合が多いです。結果が出るまでに数日かかります。
膀胱炎を繰り返している場合や、血尿が出ている場合は、ほかの病気が隠れていないかを検査するために超音波検査(エコー)を行うことがあります。
このほか、1年以内に3回以上膀胱炎を繰り返している場合や腎障害がある場合、他の病気の可能性が疑われる場合は、上記の検査に加えて血液検査やX線(レントゲン)検査、超音波検査、CTスキャン、MRI検査、膀胱鏡検査(尿路の内部を調べるために、尿道に細長い器具を入れる検査)などを行います。
膀胱炎は、大腸菌を始めとする細菌が膀胱に入って炎症を起こす病気です。女性は尿道(膀胱から身体の外へ尿を運ぶ管)が短く、開口部が肛門に近いため、男性より膀胱炎を発症しやすいといわれています。
ほとんどの場合、細菌が原因で発症しますが、ウイルスや前立腺肥大、尿路結石、腫瘍などが原因で発症することもあります。
膀胱炎を発症すると、以下のような症状がみられます。
そのほか、発熱や嘔吐、悪寒、セックス時の痛み、疲労感といった症状もみられます。
膀胱炎は、膀胱に細菌が侵入したら必ず発症するわけではありません。身体が健康であれば、本来備わっている抵抗力で細菌を撃退することができます。しかし、ストレスや疲労、睡眠不足などが原因で身体の抵抗力が弱っていると細菌が増殖しやすくなるため、膀胱炎を発症するリスクが高くなります。
また、月経(生理)の前後や性行為の後など、細菌が繁殖しやすい状態にあるときも膀胱炎に感染しやすくなります。
検査の結果、膀胱炎だと判明した場合、抗生物質(抗菌薬)が処方されます。膀胱に菌が残ってしまうと再発のリスクが高くなるため、処方された薬は最後まで飲み切ることがとても重要です。症状が落ち着いたとしても、薬の服用は途中でやめないでください。
膀胱炎の再発を予防するためには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
細菌が入らないように気をつける
膀胱炎は細菌が原因で発症する病気なので、膀胱に細菌が入らないように気をつけることが大切です。排尿・排便時は前から後ろに拭くようにして、できるだけ肛門に細菌が入らないようにしましょう。女性の場合は、月経(生理)時にナプキンをこまめに交換して、細菌が尿道に侵入しないよう心がけましょう。
市販の尿検査薬は尿糖や尿たんぱく、尿潜血を調べることが可能です。
膀胱炎によって血尿や尿たんぱくが出ると、市販の検査薬で陽性反応が確認できることが可能です。しかし、尿たんぱくや尿潜血は、膀胱炎だけでなく様々な病気で起こりうるものですので、あくまで尿の異常をスクリーニングするものであって、膀胱炎と確定診断を下すことはできません。また、検査薬で異常がなくても膀胱炎を発症していることも珍しくありません。
何かしらの症状がある場合や、市販の検査策で異常が出た場合は早めに病院を受診して検査を受けるようにしましょう。
膀胱炎の疑いがあるとき、基本的には問診と尿検査を行います。
ただし、市販の尿検査薬で診断が下せるわけではないので、気になる症状があるときは早めに病院を受診しましょう。
膀胱炎の治療では、処方された抗生物質を最後まで飲み切ることがとても大切です。また、膀胱炎が治ったら、再発を予防するために健康管理に気をつけたり、トイレに行ったときに細菌が入らないような拭き方を心がけましょう。
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