記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/8/16 記事改定日: 2019/8/23
記事改定回数:4回
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
健康診断など、胃の検査で飲むことが多いバリウム。飲むときのつらさもありますが、飲んだ後に便秘になって苦しい日々を過ごす人も多いと思います。この記事では、バリウムを飲んだ後に便秘になる原因とともに、対処法を紹介します。
胃の検査で使用するX線(レントゲン)は胃を透過してしまうため、そのままでは胃の状態を画像で確認できません。凹凸などをくっきりと浮き上がらせるために、粘膜を膜で覆う必要があります。
その役割を果たしているのがバリウムです。バリウムの膜ができた胃壁をX線で撮影することで、胃の形や癌、ポリープなどの凹凸の有無を確認できます。
バリウムは硫酸バリウムと水、粘着剤などでできている造影剤です。水に溶けにくく、消化・吸収されないまま腸に到達します。バリウムに含まれる粘着剤は固まりやすい性質を持っているため、腸が詰まりやすくなります。その結果、バリウムで腸が詰まると便も排出しづらくなり、便秘になってしまうのです。
検査後はどんなものを食べても構いませんが、バリウムが腸内で固まらないよう、水溶性食物繊維が豊富な食べ物(リンゴ、みかん、キャベツ、わかめ、納豆、寒天、ところてんなど)を食べるのがおすすめです。水溶性食物繊維は水を含むとゲル状に変わるので、腸内のバリウムを押し流してくれる働きがあります。
また、脂肪分が多い食べ物(オリーブオイル、ドレッシング、中華料理など)も便秘予防につながります。油分には腸内にたまっているものを排出しやすくする働きがあります。ただし、カロリーが高いので食べすぎには気をつけましょう。また、スナック菓子や揚げ物などで脂質を摂らないようにしましょう。
そして、水分はいつもより多めに摂るようにしましょう。通常、1日に1~2リットルぐらい飲むのが理想と言われていますが、検査後はそれ以上の水分補給を心がけてください。また、バリウムをスムーズに流すために、上記の水分を短期間で飲むことも大切です。
バリウム検査後にやってはいけないことが3つあります。
バリウムを服用すると便が固まって便秘になる恐れがあるため、検査後に下剤が処方されます。しかし、中には下剤が効かない場合や、下剤の効果が十分でない場合もあります。
バリウムが正常に排出されないと、時間が経つにつれて便が硬くなるだけでなく、便秘が続いたためにお腹が張ったり、吐き気や腹痛などを引き起こす恐れがあります。バリウム検査後に白っぽい便が出ない場合や、お腹の張りや腹痛などの症状がみられたら、検査を受けた病院で診てもらってください。
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