記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/8 記事改定日: 2018/12/24
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
狭心症は、急に胸の痛みや圧迫感が起こる病気で、肥満などによる動脈硬化が原因で起こります。また、心筋梗塞を起こす可能性もあるため、早い段階で予防や治療を始めることが大切です。
今回は狭心症の前兆とリスクファクターについて解説します。ので、早期発見・早期治療に役立ててください。
狭心症とは、動脈硬化などによって心臓に酸素を送る冠動脈が狭くなり、酸素と栄養素をスムーズに心筋まで運べなくなることによって起きる病気です。
心筋梗塞に繋がる可能性があるため、早期に治療を始めるためにも症状に早く気づけることが重要になってきます。
狭心症には以下の症状があるので、思い当たる人は早めに病院で診てもらいましょう。
狭心症は、はっきりした胸痛発作が生じる前に前兆症状が現れることがあります。前兆となる症状は軽度なものが多く、病気ではなく単なる「違和感」と感じる人もいます。また、心臓のある左前胸部だけではなく、違和感が背中や右胸、歯などに放散することがありますので注意が必要です。
前兆症状の特徴は、それらの部位が押されるような違和感が生じたり、息苦しさを覚えることです。前兆症状の大部分は非常に軽く静かな発作であるため、気づかれずに放置されることがほとんどです。
しかし、狭心症は早期治療が何よりも大切ですから、これらの違和感が繰り返し出現することがあれば、病院で相談してみましょう。
狭心症の大部分は、動脈硬化によって冠動脈が閉塞状態になることが原因です。冠動脈の動脈硬化の主な原因は、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙習慣です。
特に高脂血症で悪玉コレステロールと呼ばれる LDLコレステロールの値が高い人は狭心症のリスクが非常に高くなることがわかっています。
これらの持病がある人は、徐々に冠動脈の動脈硬化が進行し、定期検診で心臓に何も異常がないと言われていても突然発症してしまうことがあります。ですから、日ごろから生活習慣病を予防するような、食生活や禁煙を心がけるようにしましょう。
また、狭心症の中には冠動脈に動脈硬化がなくても、冠動脈が痙攣することで胸痛発作を起こすタイプのものがあります。このタイプの狭心症は寝不足やストレスなどが原因となることがありますので、規則正しく、適度にストレスを解消できる生活を送りましょう。
狭心症の前兆症状や体に起こる変化には以下のようなものが挙げられます。
また、狭心症発症の要因となる持病や生活習慣には以下のようなものが挙げられます。
これらのリスク要因に当てはまる項目が多く、上記のような前兆症状がある人は狭心症を発症する可能性がありますので、早めに病院を受診して検査するようにしましょう。
狭心症の症状は心筋が必要としている血液量を冠動脈から供給される血液量が下回ったときに起こります。このような事態が生じる原因として、以下の2種類が挙げられます。
労作性狭心症の原因のほとんどが動脈硬化といわれているため、動脈硬化を予防することが狭心症の予防に繋がります。以下のことに気をつけましょう。
もし、運動しているときなどに発作が起きた場合は、すぐに安静にするようにしましょう。そして、冠動脈を拡張する作用のある血管拡張薬(ニトログリセリンなど)を医師から処方されている場合は、すぐに使用してください。それでも発作が治まらない場合は、心筋梗塞などの他の病気が考えられるため、早急に救急車を呼びましょう。
狭心症の診断は、血液検査、心臓超音波検査、心電図検査、冠動脈造影検査などで診断され、狭心症の治療には以下の3種類があります。
動脈硬化で狭窄した冠動脈を拡張する手術です。冠動脈の狭窄部で先端に風船のついたカテーテルををふくらませ、動脈を広げます。それでも冠動脈が広がらなければ、ステントという特殊な金属を網の目状にした筒を血管の内部に入れ、内側から補強します。
冠動脈バイパス術は、PTCAを行えない場所にあった場合や、狭窄箇所が複数ある場合に採用され、同じように冠動脈を拡張します。
狭心症は心筋梗塞に繋がる可能性のある病気です。予防のために、定期健診を受けましょう。また、肥満を予防、改善するためにバランスの取れた健康的な食事と運動を心がけてください。
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