記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/18 記事改定日: 2020/3/6
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記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肋骨は呼吸に関わり、臓器を守っている大切な骨です。そんな大事な肋骨は、咳が原因で折れてしまうこともあるのをご存知でしょうか。今回は、肋骨骨折の原因や症状、治療内容について解説していきます。
肋骨は胸にある左右12対、全部で24本ある骨です。肋骨には呼吸によって肺を動かすという役割や、心臓や肺を守るといった役割があり、肝臓や脾臓、腎臓などの一部も入るような構造になっていて大切な臓器を守っています。
つまり、外からの衝撃を受け止めて臓器を守るという役割がある分、衝撃を受けやすい場所でもあります。衝撃に耐えられなかったときには折れてしまい、肋骨骨折を起こします。
肋骨骨折には
などの症状が現れますが、どこが折れたかによって痛み方などの症状が変わってきますし、軽症の場合には骨折したと思っていないこともめずらしくありません。実際、痛みが増してきてから病院を受診して気づくことも多いようです。
強く打ちつけた、転倒したなど、骨折するような出来事があり、これらの症状が現れたら念のため病院に相談しましょう。
肋骨骨折は
などに発生します。強い衝撃が加わって折れてしまった場合は、肺や心臓を傷つけたり、大きな血管を傷つけたりといった深刻なリスクを抱えることもあるので注意が必要です。
また、骨粗鬆症などで骨そのものが弱くなっていると、そこまで強い衝撃がかからなくても骨折することがあるので注意しましょう。
風邪を引いたときなどに咳やくしゃみが長引くと、咳やくしゃみをした瞬間に肋骨骨折を起こすことがあります。これは肋骨の「疲労骨折」と考えられており、骨粗鬆症など骨が弱くなりがちな人に発症しやすいものです。ただし、これまで健康だった人に起きることもあり、ごく弱い咳やくしゃみでも発症することがあります。
咳やくしゃみが長引くときはできるだけ早く病院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
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肋骨骨折の治療は保存療法が基本です。
肋骨にヒビが入った程度で心臓や肺などの臓器に傷をつける心配がないようであれば、湿布や痛み止め程度の治療で済むこともあります。
痛みがひどいときには胸用のコルセットを用いて固定し、重症の場合には手術が行われますが、肋骨骨折で手術となることはあまりありません。
ただし、内臓や血管などを傷つけていないか、傷をつける危険はないかを確認する必要がありますので、病院への受診は必要です。何回か肋骨骨折の経験があると「湿布やコルセットで治療するだけでしょ」と病院を受診しない人もいるようですが、必ず病院で治療を受けましょう。
骨粗鬆症で骨がもろくなっている人は、咳やくしゃみでも肋骨骨折を起こします。基本的には簡単な治療で治りますが、強い衝撃を受けたときなどは肋骨が周りの臓器を傷つけるなどの重篤な症状を招くこともあります。思い当たる出来事があった、肋骨のあたりに痛みを感じることがあったら、すぐに病院を受診してください。