記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/4 記事改定日: 2019/9/13
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃がキリキリと強く痛むことでも知られる「胃痙攣」ですが、胃痙攣は病気によって引き起こされることがあるのでしょうか?胃痙攣の原因とその治療法を中心に解説していきます。
胃痙攣とは、胃壁に存在する筋肉が何かしらの原因によって異常に緊張し、まるで痙攣を起こしてしまったかのように感じる状態のことです。胃痙攣自体は「病気」というよりも、胃痛や胃もたれなどと同じく、一種の「症状」として捉えられています。
胃痙攣の原因として最も多いのは、精神的なストレスといわれています。もともと胃という臓器はストレスに弱いため、慢性的にストレス状態にあったり、急に極度の緊張やストレスにさらされることにより胃に負荷がかかると、すぐに影響が出てしまうのです。
ただし、痛みが治まったとしても、単なるストレスが原因だと勝手に判断して、治療を受けずに放っておくのは禁物です。胃痙攣の場合、痛みが数分や長くても数十分で治まることが多く、病院へ行くまでにすっかり治ってしまうことも少なくありません。でも、実は胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、といった病気が胃痙攣を引き起こしている可能性もあるため、注意が必要です。
胃痙攣で最も分かりやすい症状は「胃痛(痛み)」です。しかも、その場に倒れ込んでしまうほどの痛みや、冷や汗をかくほどの痛みを伴うことも少なくありません。胃やみぞおち辺りにキリキリと刺さるような痛みや、キューッと締め付けるような痛みを感じることが多く、長いときには1時間以上痛みが続くこともあります。
また、痛みとともに、吐き気や嘔吐、下痢、食欲不振などが起こることも多いです。
胃痙攣には、ブスコパン®やストパン®など、胃の運動を抑える作用のある市販薬が有効です。突然の胃痙攣に苦しんだときは、これらの市販薬を飲むことで症状を改善することができます。
ただ、胃痙攣には胃がんや胃潰瘍といった深刻な病気が潜んでいることもあります。薬を服用しても治らない場合や、胃痙攣を繰り返す場合には、必ず病院を受診して検査・治療を行うようにしましょう。
胃痙攣の原因が胃潰瘍や胃がんといった消化器疾患、膵炎や胆管炎などの場合、放置すると非常に重篤な状態になることもあります。次のような症状を伴う場合は、市販薬ではなく、すぐに病院で治療を受けてください。
胃痙攣の治療には、まず痛みと痙攣を抑えるために鎮痛鎮痙薬が投与されます。ただし、これはあくまでも症状を落ち着かせるための一時的な治療であるため、根本的治療とは言えません。そのため、服薬と並行して血液検査や尿検査、バリウム検査、内視鏡検査などの検査を受け、原因を明らかにします。原因が病気ではなくストレスだということがハッキリした場合には、その程度によりカウンセリングや投薬による対症療法が有効です。
なお、特に治療を受けない場合にも、日常生活では出来る限り不摂生を控えることが大切です。アルコールや油っこい食事は避け、身体を休めることを常に意識しましょう。もちろん、原因となる病気が発見された場合には、その治療が最優先となります。胃腸に負担をかけない食事を心掛けながら治療してください。
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