記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/8 記事改定日: 2018/11/16
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
何かとストレスが多い現代社会では、過度のプレッシャーから急性胃炎を発症してしまう人も珍しくありません。ただ、この急性胃炎とは、いったいどんな特徴をもつ胃炎なのでしょうか?
症状・原因と併せて、治療法や予防法についてもお伝えしていきます。
胃炎には、急性胃炎と慢性胃炎があります。いずれも胃の粘膜が炎症を起こすことによって痛みや不快感が生じるものですが、その違いとしてはまず症状の持続期間の違いが挙げられます。
慢性胃炎は度重なる炎症で治りにくくなっている状態なので、胃の症状が慢性的に繰り返されます。
一方急性胃炎は、胃症状が出るものの3日ほどでおさまります。そのほか、急性胃炎と慢性胃炎で発症原因にも違いがありますが、これについては以降で解説していきます。
急性胃腸炎は胃粘膜に炎症が生じる病気です。胃の壁からは酸性度の高い胃酸が分泌されており、正常な胃粘膜は胃酸からのダメージを防ぐための機構がありますが、急性胃炎を発症するとこの機構が失われて胃酸のダメージを受けやすくなります。
その結果、食後など胃酸が多く分泌される時に胃にしみるような鈍い痛みが生じます。また、胃の過剰な蠕動運動が生じて、胃が痙攣するような痛みを引き起こすこともあります。
これらの痛み以外にも、吐き気や胸焼け、食欲不振などの症状が現れるのも特徴です。
慢性胃炎の原因の多くはピロリ菌の感染によるものですが、急性胃炎の場合はピロリ菌の感染のほか、ストレスやアルコールの過剰摂取、ウイルスなどの感染など原因はさまざまです。
そして急性胃炎の治療は薬物療法を中心に行われます。原因によって治療薬の種類は異なりますが、一般的には胃酸の分泌を抑える薬、胃粘膜を保護する薬が処方されます。ウイルス感染が原因の場合は、ウイルス除去の薬が投与されることもあります。また、薬を服用するだけでなくそもそもの原因を除去することも重要なので、アルコールの過剰摂取が原因で発症した場合は飲酒を控えるなど、原因に沿った対処を行うことが肝心です。
急性胃炎の治療中には、胃の粘膜への負担を最小限に抑えるために絶食が必要になることがあります。また、絶食が必要ない場合でも、なるべく胃の粘膜に負担がかからない食事を心がけましょう。
具体的には、お粥や野菜スープなど軟らかく煮込んで適度な温かさのあるメニューがおすすめです。揚げ物など油分の多い物や、固いものは消化に時間がかかり、胃酸分泌も増加しますので控え、なるべく塩分や香辛料も控えましょう。
アルコールや喫煙も胃粘膜にダメージを与えますので、治療中は禁酒・禁煙する必要があります。
さらに、食事は一度に多くのものを食べると胃に負担がかかりますので、一回量を少なくして一日五食にするなど食べ方にも工夫をしてみましょう。
「プレッシャーがかかると胃痛が起こる」という人が多いように、胃はストレスや環境の変化などにとても敏感な器官です。つまり、胃炎にならないためには、日頃から日常生活に気を配ることが予防につながります。食事や睡眠、軽い運動など、基本的な生活習慣の見直しに加え、自分に合ったストレスの発散方法を見つけて上手にストレスをコントロールすることが大切です。胃炎を起こしてしまう前に、生活習慣の見直しと改善をして快適な生活を心掛けましょう。
加えて胃粘膜を刺激するものを控えることも大切です。胃粘膜の機能低下につながる喫煙は控えましょう。アルコールの過剰摂取も胃粘膜に多大な刺激を与えます。乳製品で胃粘膜を保護してから、適度な飲酒量を心掛けてください。また、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインも胃粘膜を刺激します。空腹時は控えるようにして、過剰に摂らないようにしましょう。
ストレスの溜めすぎやアルコールの過剰摂取など、生活習慣の乱れは急性胃炎の発症に直結するものです。胃炎を引き起こすようなことは普段から避け、未然の予防に努めましょう。
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