記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/6 記事改定日: 2018/10/11
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
初期症状が少ないために発見が遅れやすいがんとして知られる「膵臓がん(膵臓がん)」。この膵臓がん(膵臓がん)を発見するためには、どんな検査を行うのでしょうか?検査法についてまとめました。
膵臓がん(膵臓がん)は膵臓に悪性腫瘍ができる病気です。膵臓は胃の後ろにある臓器ですが、膵臓の中を膵管という管が突き抜けており、中央の管の部分からさらに網の目のように広がっています。膵臓がんの90%以上はこの膵管の細胞にできるため、通常膵臓がんといわれるものは膵管にできた膵管がんのことを指します。
膵臓がんは発症しても症状が出にくいことが特徴で、症状が出て受診した頃にはがんがかなり進行していることが多いです。また膵臓がんは転移しやすいがんであり、発見された時にはすでに他臓器に転移していることが多く、治療をするのが難しいがんのひとつです。膵臓がんが発見された時にはかなりがんが進行しています。男女比はやや男性が多く、好発年齢は60歳以降で高齢になるほど発症数が増えます。
上記で触れたように、膵臓がんの症状は初期では無症状であることがほとんどです。病状が進んでくると、みぞおちあたりの痛みを感じるようになります。上腹部痛や背部痛は膵臓がん患者の多くが訴える症状で、食事とは関係なく常に痛みがあることが特徴です。なお、膵臓の周辺には神経が多く、それらの神経にまでがん細胞が侵入してくると非常に強い痛みを伴います。
また体重減少もよく見られます。膵臓からは消化酵素が出されるため、その働きが阻害されることや、がんが十二指腸へ広がることで食欲が落ちて体重が著しく減少するのです。
そして膵臓がんが大きくなり胆管が詰まってくると、胆汁の分泌が滞ってしまい胆汁中のビリルビンが排出されなくなります。その結果、体内にビリルビンが蓄積されて黄疸が起こるようになります。
膵臓がんの検査では、まず患者さんに負担の少ない方法から開始されます。血液検査で生化学検査や腫瘍マーカー値を調べると同時に、腹部の超音波検査をします。これらの検査は痛みもほとんどなく短時間で行えます。
上記の検査だけでははっきりしない時には、CT検査やMRI検査を行います。これらの検査も痛みがなく身体全体を見ることができ、膵臓がんの転移の有無も調べられます(詳しくは次の項で解説します)。
また、ERCPという検査も行われます。これは内視鏡を口から入れて十二指腸に留めておき、膵管と胆管の出口に造影剤を注入して撮影する検査です。
そして最終的な診断を出すために、膵臓の細胞の一部を取り出して検査するという病理検査が行われます。この細胞を調べてがん細胞がある時には膵臓がんと診断されます。
腹部超音波検査はお腹の上から超音波の出ている器具を当てて、お腹の中の臓器の様子を見るものです。痛みがなく手軽に行える検査ですが、患者さんの体型や姿勢によって目的の部位が見にくくなることもあります。膵臓がんがある場合には膵臓の中に黒っぽい腫瘤像が見えたり膵管が広がっていることがあります。
CT検査はX線をあてて体内の様子を見る検査です。寝ているだけでいいので痛みがなく行えます。造影剤を使うことで血管の様子を詳しく知ることができ、周囲の臓器の様子や転移の有無も調べられます。
MRI検査は磁気を使って体内の様子を見る検査です。X 線の被爆がなく、横の断面だけでなく縦や斜めの断面図も見ることができます。また、MRIを応用したMRCP検査が行われることもあります。
検査で異常が無かった場合でも、良性と診断された膵嚢胞ががん化することがあります。また、CTやMRI検査で描出できる病変の大きさには限界があるため、発生初期段階のごく小さながんは発見できないことも少なくありません。超音波検査のみでは、腸に溜まったガスの影響で膵臓の病変が見えにくいこともあります。
膵臓がんは死亡率が高いがんですが、早期発見・早期治療することで治すことも可能です。がんが大きくなると手術をすることが困難になるケースも少なくありませんので、検査で異常なしと診断された場合でも、油断せずに一年に一度は健診を受けるようにしましょう。
初期の膵臓がんは目立った症状が現れないことも多く、発見したときにはすでにかなり症状が進行してしまっているケースも少なくありません。背部痛など気になる症状がみられたら、早めに検査を受けるようにしましょう。
また、検査の結果異常なしでも、嚢胞が後にがん化したり発見できなかったがんが成長してしまうことがあります。異常がなかった場合でも、定期的な検査は怠らないようにしてください。
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