記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/6 記事改定日: 2018/12/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「変形性股関節症」をご存知でしょうか。股関節の痛みや歩行困難などを引き起こす病気で、特に女性に多く見られます。
今回はこの変形性股関節症の原因と予防法について説明していきます。
変形性股関節症とは、先天性や後天性の病気や外傷によって関節の構造が破綻した状態で、股関節の軟骨がすり減ったり、変形したりしているために、歩行に不具合や痛みを感じる病気です。
次第に思うように関節を動かせなくなり、加齢とともに徐々に悪化していくという経過をたどります。なお、一度変形した股関節を元に戻すことはできません。
変形性股関節症には、はっきりとした原因がわからないものもありますが、関節リウマチや大量のアルコール、肥満などが原因になります。
また、筋力の低下や関節軟骨の細胞が老齢化などの加齢・老化が原因になることもあります。
日本人の女性に多いのが、大腿骨の骨頭部分にあたる受け皿・臼蓋の形状が不完全なために起こる、臼蓋形成不全です。
近年は洋式の生活が一般化しているので減少傾向にありますが、全くみられなくなったわけではないので注意が必要です。
変形性股関節症には、「前股関節症」「初期」「進行期」「末期」の4つの段階があります。
変形性股関節症は日常生活に注意することで予防できる病気です。
変形性股関節症は過度な股関節への負担が原因となることがあります。このため、肥満に気を付け、無理な運動習慣を控えることが大切です。
肥満を防ぐには和食や野菜を中心として適正カロリーを守った食生活を心がけ、股関節に負担がかかるようなジャンプ動作などが多い運動は避けましょう。また、股関節周囲の筋力や柔軟性を鍛えるために、ストレッチやもも上げなどのエクササイズを行うのもお勧めです。
さらに、変形性股関節症は喫煙習慣が原因となることもあるため、喫煙している人は禁煙を目指してみましょう。
変形性股関節症は、高齢の女性に多い病気です。
症状が重くなってから病院を受診する人が多い傾向がありますが、一度すり減ってしまった軟骨を元に戻すことはできないので、症状が進むと人工股関節に入れ替える手術が必要になってしまいます。
初期の段階では、お尻や太ももなどに違和感を感じたり、立ち上がりや歩き初めの違和感があることが多いため、痛みがなくても違和感を感じた段階で早めに病院へ行き、股関節の状態を確かめてもらうことが大切です。
初期の段階なら、治療をして進行を遅らせることができたり、肥満の解消や関節に無理を掛けないような生活習慣を身に付けるなどの対応で、進行を止めたりすることができるので、早めに病院に行くようにしましょう。
変形性股関節症は進行して関節の軟骨がほとんどなくなってしまうと、人工股関節への切り替えを余儀なくされることがあります。
初期段階で症状に気づくことが非常に重要なので、お尻や太ももの違和感があったら、念のため病院を受診することをおすすめします。
また、いわゆる老化が原因になることも多いので、適切なトレーニングで股関節への負担を減らすようにしましょう。
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