記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/28 記事改定日: 2020/7/28
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康診断で「脂質異常症」といわれてしまった場合、改善のために毎日どんなことを心がければいいのでしょうか?ここでは、脂質異常症の人におすすめの食事やレシピ、有酸素運動のポイントなどをまとめました。太り気味の人、コレステロールが高いと言われた人もぜひ参考にしてください。
脂質異常症とは、血液中の脂肪が正常な状態よりも増えている状態です。このような状態になる原因としては、遺伝的な要因と生活習慣の乱れが関係しています。
家族内に脂質異常症になっている人がいる場合、脂質異常症の発症リスクが上がります。
遺伝的な原因だけで脂質異常症になるのではなく、生活習慣も大きく関係しています。カロリーの摂り過ぎや運動不足など生活習慣の乱れがある時には、遺伝的な要因がない場合でも脂質異常症を発症する場合があります。他に原因となる生活習慣としては肥満、アルコールの摂り過ぎなどがあります。
脂質異常症は発症しても痛みが出ることもなく、特別な自覚症状はあらわれません。しかし、脂質異常症を放置していることで血管の動脈硬化が進行していきます。動脈硬化は血管の壁が厚くなり、血液の通り道が狭くなることで、血管が詰まりやすくなることが問題になります。血管が詰まると心筋梗塞や脳梗塞のような命に関わる病気を起こします。
脂質異常症には様々なタイプがあり、それぞれ診断基準が異なります。
まず、いわゆる「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールが高くなる高LDLコレステロール血症は空腹時のLDLコレステロール値が140㎎/dL以上と定義されています。
一方、「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLコレステロールが低値になるケースも脂質異常症とされ、HDLコレステロール値が40㎎/dL未満と定義されています。
その他にも、中性脂肪値が150mg/dL以上、全ての脂質からHDLコレステロールを除いた「Non-HDLコレステロール値」が170㎎/dL以上の場合も脂質異常症と診断されます。
脂質異常症と言えば、LDLコレステロール値のみにを注目しがちですが、その他の脂質の数値に異常がある場合も脂質異常症と診断されますので注意が必要です。
脂質異常症を予防し、悪化させないためには食事内容に気をつけることが非常に重要です。食事内容によって血液中の脂肪の量は変化するからです。
肉の脂身やバターやチーズ、卵などは代表的な脂質が高い食材です。またスナック菓子やチョコレートなどの菓子類も脂肪分を多く含んでいます。他に魚卵やレバー、マヨネーズなどもコレステロールが高い食品ですので注意しましょう。
脂っこいもの以外では、糖分の多い炭水化物をとり過ぎることも避けたほうがよいでしょう。炭水化物は体にとってエネルギー源となる大切な栄養ですが、とり過ぎることで脂質異常症を引き起こすので気をつけなくてはいけません。米だけでなく小麦粉も炭水化物に含まれるので、麺類やパンなどにも注意しましょう。
アルコールは適度なら大丈夫ですが、飲み過ぎは脂質異常症の原因になります。アルコールを摂取する時にはつい脂っこい物を一緒に食べてしまうことがあるので気をつけましょう。
脂質異常症の人が積極的にとりたい成分は食物繊維です。水溶性食物繊維は血液中のコレステロールを体の外へ排出させる働きがあります。食物繊維を豊富に含む食品を紹介しますので、食習慣改善の参考にしてください。
野菜に含まれる水溶性食物繊維が血液中のコレステロールを体の外へ排出させる働きがあるからです。野菜は全般的に食物繊維が豊富で低カロリーなので積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
海藻類はほとんどカロリーがなく食物繊維やミネラルが豊富な食材です。キノコ類もカロリーが低くうまみ成分の多い食材です。上手に献立の中に組み込みましょう。
果物は食物繊維を含み、ビタミンが摂取できる食品です。
脂身の多い肉の代わりに大豆製品を食べることで、食物繊維を接種できます。脂質異常症の予防、治療への効果があります。
脂質異常症は適切な薬物療法を行うことも大切ですが、まずは食生活を見直して脂質を抑えるよう心がけましょう。ここでは、脂質異常症改善に効果的なレシピを3つご紹介します。
玉ねぎに含まれる硫化アリルは悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを下げる作用があります。食物繊維も豊富なのでサラダを食べるときは積極的に玉ねぎを取り入れてみましょう。
忙しい朝にも簡単に作ることができるおすすめレシピです。大豆製品である納豆は食物繊維が豊富で脂質異常症改善の味方です。オープンサンドに乗せるハムなどの肉類をヘルシーな納豆に換えてみましょう。
低カロリーで食物繊維豊富、食べ応えのあるきのこは余分な脂質を摂らずにカロリーを抑えながら脂質異常症を改善することができます。
脂質異常症の人は、運動習慣を身に着けることも大切です。しかし、どのような運動でもよいのではなく、カロリーを消費して体脂肪を燃焼させる効果のある有酸素運動を行うようにしましょう。
有酸素運動はウォーキングやサイクリング、水泳などが挙げられますが、一回に30分以上続けることが重要です。30分以上継続して行うことで体脂肪を燃焼させることができます。
理想的には一回に30分以上、一週間に3回以上の運動がよいですが、まずは無理のない範囲で行うようにしましょう。
脂質異常症の人の血液は、脂肪分やコレステロールが過多な状態となっています。脂っこい食べ物は控える、野菜中心の献立を考える、炭水化物のとりすぎに注意する、有酸素運動を習慣化するといったポイントを抑え、毎日の生活習慣に反映させていきましょう。
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