記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/20 記事改定日: 2019/8/22
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
足底線維腫症とは、足底腱膜にできる硬い腫瘤(しゅりゅう:できもののこと)のことです。痛みが起こることは少ないとされていますが、なぜこのようなできものが発生してしまうのでしょうか。この記事では足底線維腫症について解説しています。
足底線維腫症は、足底腱膜(足裏の土踏まずのところ)に、硬くて張りのあるできもの(腫瘤)ができる病気です。似た症状の病気に足底筋膜炎がありますが、足底線維腫症の特徴は、足の裏に腫瘤ができることです。片足のみにできることもあれば、両足にできる場合もあります。
ただ、足底線維腫症の腫瘤は良性腫瘍であるため、発症しても痛みを伴うことはほとんどなく、基本的には足の裏の不快感や違和感があらわれる程度です。ただ、腫瘤が大きくなってくると、歩きにくい、痛くて歩けないといった症状がみられる場合もあります。
足底線維腫症は、長期にわたって負荷がかかり続けた結果、足底腱膜に傷がついてしまうことで発症すると考えられています。
足底腱膜はとても強く、本来はあまり傷つくことはありません。しかし、長期にわたって同じ部分に負荷がかかり続けると小さな傷ができることがあります。傷自体は自然に治りますが、損傷したところに負荷がかかり続けると何度も傷ついてしまいます。その結果、傷ついた部分が瘢痕(はんこん)と呼ばれる固い組織となり、腫瘤になって足底線維腫症を発症するのです。
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腫瘤は自然に消えたり小さくなったりしないため、治療が必要です。足底線維腫症の治療法としては、ステロイド注射による「保存療法」と手術によってできものを切除する「手術療法」の2種類があります。
足底線維腫症の腫瘤は良性なので、まずは小さくするためにステロイド局所注射を複数回行うのが一般的です。ただ、歩くのに支障をきたすほど大きくなっているときや、痛みを伴っているときなど、重症化している場合には手術での切除が必要になります。
ただし、痛みがなく、特に日常生活に支障も感じられないという場合には、経過観察にとどめることもあります。
足底線維腫症は、足底腱膜への慢性的な負荷が原因で引き起こされることが多いといわれています。運動や歩行などを多く行う人は、足底線維腫症を予防するに以下のようなセルフケアをしましょう。