記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/25 記事改定日: 2019/1/16
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
心房細動とは、心臓にある「心房」が痙攣し、心臓のポンプ機能が低下する病気です。
この記事では、心房細動の合併症の危険性と、合併症を防ぐにはどうすればいいかを解説していきます。
心房細動とは不整脈の一種で、心房が痙攣することで心臓の機能が低下する病気です。
心房細動になると、その心房が小刻みに震え痙攣を起こしたようになってしまい、ポンプ機能が低下します。
その結果、血液がうまく心臓から体内へ運べなくなってしまうのです。
心房細動を起こすと動悸やめまいを起こしたり、呼吸がしにくくなったり、心臓の機能が低下することで血栓ができやすくなってしまいます。
激しい運動をすると心房細動になりやすいといわれています。
ここでいう激しい運動とは、サッカーやバスケットボール、自転車競技というような、体を長時間酷使する運動のことです。
激しい運動をしている、もしくは過去にしていたという方は、40歳を過ぎたら、自覚症状の有無にかかわらず検査を受けることをおすすめします。
心房細動の原因には、背後に高血圧や糖尿病、動脈硬化など別の疾病が隠れている場合があります。それらの疾病が、心房細動の原因の場合は、軽い運動だとしても、病状が悪化してしまうリスクがあります。
心房細動を発症すると、心臓の機能が低下します。心臓の機能低下はさまざまな合併症を引き起こすリスクを高めます。心房細動が引き起こす主な合併症としては、心原性脳梗塞が挙げられます。
心原性脳塞栓とは、心臓にできた血栓が脳の血管に詰まってしまうことで起こる脳梗塞です。
上記でも説明したように、心房細動になると心臓の機能が低下して血栓ができやすくなります。その血栓が脳の血管に詰まってしまうと、脳に栄養や酸素が送られなくなります。結果、脳梗塞を発症し、脳が損傷してしまうのです。
心原性脳塞栓は脳の広い範囲がダメージを受けてしまうリスクが高いといわれています。
もうひとつあげられる合併症が心不全です。心房細動によって心房の痙攣が続くと、心臓のポンプ機能が低下します。このように、心臓のポンプ機能が低下する病気のことを心不全といいます。心不全になると普段通りの生活が送れなくなるだけでなく、命に関わる病気につながるおそれもあります。
心原性脳梗塞も心不全も、どちらも重篤な症状を引き起こす深刻な合併症です。少しでも気になる症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
心房細動の最も恐ろしい合併症は、心臓内に大きな血栓ができ、それが脳の血管へ流れることで生じる「心原性脳塞栓」です。塞栓される範囲が広いと突然死の原因になるだけでなく、救命できたとしても麻痺や言語障害など重篤な後遺症をのこす可能性があります。
心原性脳塞栓を防ぐには、心房細動の治療や血液が固まりにくくなる抗凝固薬の服用を続けることも大切ですが、生活習慣にも注意する必要があります。
体内に水分が不足すると血栓ができやすくなるため、脱水を引き起こしやすい高塩分の食事や過度なアルコール摂取は避け、適度に水分を摂ることが大切です。また、油分や糖分の多い食事は動脈硬化を引き起こして心臓に負担をかけ、心房細動の悪化につながりますので、過剰摂取には注意しましょう。
心房細動は脳梗塞や心不全など命に関わる病気を引き起こす場合があります。ただし、心房細動は動悸や息切れ等の自覚症状が出る場合もありますが、全く自覚症状がでない場合もあります。定期的な健康診断を怠らないようにしましょう。
また少しでも異常が出た場合には、自己判断せずにすぐに病院へ行って精密検査をするようにしてください。早期発見、早期治療が大切です。
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