声帯結節の手術の費用はどれくらい?術後の再発はどう防げばいい?

2018/2/15 記事改定日: 2018/12/14
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

声帯結節は、普段から大声を出す習慣がある人に多くみられる症状です。
保存療法で治らないときには手術が検討されますが、手術はどのように進めていくのでしょうか。
この記事では、声帯結節の手術の流れと術後の再発防止の方法について解説していきます。

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声帯結節って、声帯がどんな状態になるの?

声帯結節とは、声帯の表皮組織が肥厚して、声帯膜様部の中央あたりに結節というタコのような硬い組織ができる病気です。
たとえば習慣的に大声を出したり叫んだりしていると、声帯が過度に振動し、こすれあって物理的に大きなストレスがかかり、結節ができやすくなります。

声帯結節ができると、声がかすれたり(嗄声)、話す時に息が漏れるように感じたりします。また、炎症が原因の場合は、喉の痛みを伴うことがあります。

大人では仕事で大声を出す必要がある幼稚園や小学校の先生などに多く見られ、子供では部活動で大声を出して練習することが多い子供に多くみられます。

どんなときに声帯結節の手術が検討されるの?

声帯結節の治療方法には、保存療法と手術療法があります。

声帯結節は、声帯を過度に使い過ぎたことが原因で発症しています。
このため、まず保存療法として声帯への刺激を最小限にするために声を出さない状態を続けます。
また同時に、吸入などを行って炎症を抑える治療をします。症状に合わせて、消炎酵素剤、消炎鎮痛剤、ステロイドなど、使用する薬剤を決めます。

日常生活では、のどの乾燥を防ぐために加湿器を使用したり、マスクをしてほこりなどがのどに付着することを防いだり、水分をこまめに摂って、のどに潤いを与えるようにする必要があります。

基本的に、保存療法は時間をかけて行う治療です。このため、治療の効果があらわれるまで気長に待つ必要があります。
ただ、数カ月にわたって保存療法を行っても効果がみられないときや症状がひどく日常生活や仕事などに支障をきたしているときには、手術が検討されます。

声帯結節の手術の流れ

声帯結節の治療で手術が行われる場合、ラリンゴマイクロサージェリーという顕微鏡下で手術を行います。
これは顕微鏡を使って病巣部をしっかりと見ながら手術する方法で、どこまで結節ができているかを確認しながら正確に切除します。

手術は全身麻酔で行い、術後から5日間は絶対沈黙の期間が必要です。手術を行うと声がかすれる症状がなくなり、はっきりとした声を出せるようになります。

手術時には、口からのどの奥に金属の管を入れ、その管を使って顕微鏡を移動させます。このとき金属の管を口に入れるので歯を圧迫することがあり、歯に影響が出る可能性があります。
なかでも上前歯に影響が出やすいです。差し歯やインプラントの治療を受けている場合は、あらかじめ医師に伝えましょう。

通常は金属と歯の間にシリコンを入れ、歯にかかる圧迫が最小限になるようにしますが、術後に歯が浮いたような感じがすることがあります。また、術後は音声治療を行って、声帯に負担がかからない声の出し方を身につけることが大切です。

手術の費用と保険の給付金

声帯結節の手術は1~2泊の入院で行われることが多く、費用は医療機関によって異なりますが健康保険の3割負担で7~10万円が相場です。
また、民間の保険に加入している場合は給付金の対象になることがありますので、手術前に契約している保険会社に確認するようにしてみましょう。

術後の再発防止のために、どんなことをすればいい?

声帯結節の原因は無理な発声や誤った発声方法です。声帯結節は手術によって切除しても、これらの原因が改善しない限りは再発するリスクが高い病気です。

手術後の再発を予防するために、声の出しすぎを控え、のどに違和感がある場合は声を出さずにのどを休めることが大切です。また、正しい発声方法を訓練するために言語聴覚士などによるリハビリを行うようにしましょう。

おわりに:差し歯やインプラントの治療を受けている場合、声帯結節の手術を受ける前に伝えることが大切

声帯結節の手術ではのどの奥に金属の管を入れます。歯に影響が及ばないよう、金属と歯の間にシリコンを入れて歯を保護しますが、術後に歯に違和感が残る可能性があります。歯への影響を最小限に食いとどめるためにも、特に差し歯やインプラントの治療を受けている場合は手術を受ける前に主治医に伝えることが大切です。

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