記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/28 記事改定日: 2019/1/16
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳梗塞や心不全など、命に関わる状態を引き起こす「心房細動」。この心房細動の発症リスクが高いのは、どんな人なのでしょうか?
心房細動の特徴的な症状や心房細動のリスクとあわせて、詳しく解説していきます。
心房細動は高齢者に多くみられますが、30代から50代といった世代でも、寝不足やストレスなどちょっとしたきっかけを引き金に発症することがあります。一過性の症状として、軽くやり過ごしているうちに脳梗塞などに悪化しかねません。
また、野球やサッカー、ラグビー、バスケットボール、自転車競技など、激しい運動をしている人も心房細動のリスクがあるといわれています。若いころにこうしたスポーツを経験していた場合にも、後にリスクが高まるとの研究結果も報告されています。ただ、軽い運動でも血管の動脈硬化などが進んでいる人であれば、やはり心房細動を発症しやすくなっています。
また、ストレスや過労、睡眠不足、深酒、喫煙などが続くことも、心房細動の危険性を高めます。つまり、心房細動は誰の身にも起こりうることなのです。
心房細動がしばしば起こる心臓は、収縮のペースが不規則で、血液の流れが滞ることが多いので、血栓ができやすくなります。その血栓が動脈を通じて脳の毛細血管に送り込まれて詰まると、脳梗塞を発症するのです。
脳梗塞が起きると、血栓で詰まった血管の先の脳細胞が、酸素や栄養不足で死んでしまい、思ったように話せなくなる言語障害や、手足の麻痺が起きる運動障害などが起きることがあります。一説には、脳梗塞の原因の約3割が、心房細動が原因でできた血栓によって発生するといわれています。
よって心房細動を自覚したら、放置せずに医師に診てもらうことが重要です。突然、手足がしびれてきて力が入らなくなったり、しゃべっていて舌がもつれたりした場合も注意が必要となります。脳梗塞の前兆である「一過性脳虚血発作」が起きている可能性があるからです。
心房細動の人すべてが認知症になるわけではありませんが、心房細動は心臓が不規則に拍動するため、体内に送り出される血液量が不安定になりがちです。このため、脳への血流が慢性的な低下によって認知症のリスクが上昇する可能性があります。
また、心房細動が原因で生じる脳梗塞は、脳の一部にダメージを与えるため、認知症の中でも「脳血管性認知症」と呼ばれるタイプのものを発症することがあります。
心房細動では以下のような症状が見られます。
また、心房細動は高血圧や糖尿病などの持病や肥満、喫煙、ストレスなどの生活習慣によって発症するリスクが高くなります。これらのリスクがある人で、当てはまる自覚症状が多い人は、一度病院で検査を受けるようにしましょう。
突然の動悸や息切れなどの症状が続いても、「いつものこと」と放置してしまう方は少なくないでしょう。ただ、そうした心房細動には、脳梗塞などの重病を引き起こしかねない予兆が潜んでいます。
軽く考えずに生活習慣を改めて見直すようにし、検査のために一度循環器内科などを受診しましょう。
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