記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/17 記事改定日: 2018/12/25
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
狭心症は、心臓の筋肉を動かす重要な血管「冠動脈」が何らかの原因で狭くなってしまう病気です。
狭心症の投薬治療に使われる薬といえば「ニトログリセリン」が知られていますが、その他の治療薬の種類について、どのくらい知っていますか?
今回は、狭心症の治療をするなら知っておきたい薬のことについて、治療に使われる薬の種類や副作用について、わかりやすくご説明していきます。
狭心症の治療に使われる薬としては、「硝酸薬」「カルシウム拮抗薬」「β遮断薬」「抗血小板薬」「スタチン」の5種類が挙げられます。
以下に、それぞれの薬の効果や特徴について簡単にまとめました。
血管内の細胞に作用して一酸化窒素を産出させ、冠動脈を拡張させることで血流の増加の効果が期待できる薬です。
ニトログリセリンもこの硝酸薬の一種であり、舌下錠や内服錠、スプレータイプ、テープタイプなどさまざまなタイプの薬剤があります。
血管の細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害することで、血管の筋肉の緊張を低下させ、血管を拡張させる効果が期待できる薬です。
代表的なものにはベニビジンがあり、特に冠動脈の痙攣によって起こる狭心症に効果的と考えられているため、よく使用されます。
交感神経の異常な高ぶりを抑えることで、心筋収縮力や心拍を低下させ、狭心症治療の効果を発揮する薬です。
運動をしたとき、重いものを持ったときなど、心臓に負担がかかり心拍が上がった時に発症する労作性狭心症の患者に、特に効果的であるとされています。
血を凝固させる作用のある血小板を、作らせないようにする薬です。
狭心症、または狭心症の治療後に冠動脈に血栓ができるのを防ぐために使用されます。
血液内の低比重リポタンパクコレストロール(LDL-C)の値を下げる効果のある薬で、冠動脈が狭くなる一因となる血管内の石灰化組織(プラーク)の生成を阻害します。
他にも、血管組織への抗炎症、血管内の機能改善などの効果も期待でき、特に狭心症の初期症状の改善のために処方されます。
以下で、狭心症の薬の使用で想定される副作用について紹介していくので、しっかり理解しておきましょう。
狭心症には、労作性狭心症と冠攣縮性狭心症がありますが、それぞれによって薬を続ける基準が異なります。
労作性狭心症は、冠動脈に動脈硬化が生じて物理的な狭窄を生じており、労作時に冠動脈がさらに細くなることで胸痛発作を引き起こします。このため、基本的には薬を飲み続けて動脈硬化の進行や胸痛発作の予防を行う必要があります。
一方、冠攣縮性狭心症とは、冠動脈に異常が無い場合でも冠動脈が過度に収縮することで胸痛発作を生じるものです。主な原因はストレスや睡眠不足、更年期障害などが挙げられます。
冠攣縮性狭心症の場合には、冠動脈に物理的な狭窄がないため胸痛発作が数年にわたって起こっておらず、運動負荷心電図検査などで異常が見られない場合に薬の服用が中止できるケースもあります。
しかし、薬が中止になったとしても、突然の胸痛発作に備えて硝酸薬を持ち歩くようにしましょう。
ひとくちに狭心症の治療薬と言っても、症状や考えられる原因、期待する効果によって、さまざまな種類の薬が使われています。治療にあたり、基本的には医師が適切な薬を選んでくれますが、薬の種類や効果を知っていれば、希望を相談することも可能になります。この記事を参考に薬についての理解を深め、あなたの狭心症治療に役立ててください。
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