記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/17 記事改定日: 2018/12/24
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
狭心症の発作が起こると、特徴的な痛みや息苦しさが生じます。こちらの記事では、狭心症の発作の現れ方や、症状が継続する時間、発作が起こった時の対処法などについて解説します。
狭心症の発作には、以下のような特徴があります。
狭心症では主に胸の痛みを生じます。ズキズキしたりチクチクしたりするような痛みではなく、胸のあたりがぎゅっと締め付けられているように感じたり(胸部絞扼感・きょうぶこうやくかん)、何かに強く押されているように感じたり(胸部圧迫感・胸部重圧感)するのが一般的です。このほか、息切れや動悸などを伴います。
基本的には胸のあたりに生じますが、肩や背中、首、頬、歯、後頭部、みぞおちに痛みが生じる場合もあります。痛みが現れる部位には個人差があり、じわじわと広範囲に広がるケースも少なくありません。
発作がいつ起こるかは狭心症の種類によって様々です。「労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)」の場合は階段を上がる、坂道を上る、重い物を持ち上げるなど、体に何らかの負荷がかかる際に発作が起こります。対して、「安静時狭心症」「冠攣縮性狭心症(冠攣縮性狭心症)」では就寝中、特に明け方に起こりやすく、どちらの場合でも、発作は意識していないときに突然起こります。
狭心症の発作が続く時間は、狭心症の種類や度合いによって多少異なります。労作性狭心症の場合は、何もしなくても数分程度で痛みが消失することが多いでしょう。
冠攣縮性狭心症の場合は比較的発作の程度が強いと言われており、発作の継続時間は数分から15分、長くとも30分であることがほとんどです。30分以上発作が続くことは、決してないとは言い切れないものの、極めてまれであり、あまりにも長く発作が続く場合には狭心症ではなく心筋梗塞が疑われることがあります。
一度発作が治まれば、発作前の何も問題がない状態に戻るのが一般的です。ただし、人によっては1日に数回発作を起こすこともあり、進行すると発作の時間が長くなったり、1日の発作回数が多くなることもあります。
狭心症は、胸の痛みが一度治まってしまえばその後はいつも通り過ごすことができるため、特に受診の必要はないと軽く考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、まだ狭心症であるかどうか診断されていない、狭心症の可能性があるといった場合には早めに受診することが大切です。早期に治療を開始することで、心臓への負荷を軽減できるでしょう。
既に狭心症と診断されている場合でも、以下のような症状が見られる場合には受診してください。
痛みが起こった時間や、何をしていた時か、どれくらいの痛みだったか、どれくらいの時間痛みが継続したかなどを記録しておくと、スムーズに受診できるでしょう。
狭心症の発作が起こった場合には、ニトログリセリンを使用します。ニトログリセリンとは、硝酸薬の一種で血管を拡張させる効果があり、多くの狭心症の患者が携帯しているものです。心臓の周りを走る冠動脈や全身の血管を広げることで血流を改善し、狭心症の発作を抑えます。狭心症の発作が起こったときに用いられるニトログリセリンには以下のようなものがあります。
ニトログリセリンを服用すれば大抵は1~2分で発作は治まりますが、効果が見られない場合はもう一度服用します。ニトログリセリンには血圧を下げる効果もあるため、座って服用する、服用した後はできれば横になるなど、服用には十分に気を付けなければなりません。
ニトログリセリン服用しても発作が治まらないのであれば、血栓が生じていたり、心筋梗塞に移行している可能性が考えられるため、放っておかずに速やかに受診しましょう。
狭心症は発作が起こらない限り、症状は現れません。このため、いかにして発作を予防するかが大切です。
狭心症発作の予防対策には以下のようなものが挙げられます。
個人差はあるものの、狭心症の発作で起こる胸が締め付けられるような痛みや、圧迫されているような感覚の多くは15分程度で治まります。あまりにも長く発作が続く場合やニトログリセリンが効かない場合には早めに病院を受診しましょう。
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