記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/8/27
記事監修医師
前田 裕斗 先生
抗うつ薬を服用中に妊娠がわかった場合、嬉しい反面、薬の影響がどの程度あるのか心配になりますよね。
今回は、抗うつ薬を服用中に妊娠した場合の対応などをご紹介します。
抗うつ薬を服用している際に不妊治療をする場合、気になるのが薬による胎児への影響でしょう。
基本的に薬が胎児に最も影響するのは妊娠15週までとされていますが、この期間に抗うつ薬を服用した場合でも、胎児に何らかの影響が出るといった医学的根拠はないといわれています。ただし、妊娠16週~分娩までの間に抗うつ薬などを服用した場合は、体温調節などに障害がみられる新生児薬物離脱症候群などが現れることがあります。
妊娠がわかった場合、それまでに服用していた抗うつ薬を止めた方が良いと考える人もいるかもしれません。しかし、自己判断で抗うつ薬の服用を中止してしまうと、身体や心に影響が及んで症状が悪化する恐れがあります。軽症の場合は、カウンセリングや精神療法を行うこともありますが、服用を中止できないほどある程度症状が強く出ている場合でも、影響が出にくい薬に切り替えるなどの方法がとられることもあります。
いずれにしても、医師と相談の上で治療方法などを決定していくことが望まれます。自分だけの判断で薬を中断したり、妊娠そのものを諦めるようなことは避けましょう。
妊娠がわかった場合、もし抗うつ剤を使用していると薬剤による胎児への影響が心配になることでしょう。
このような「薬の服用」による心配事や相談したいことがある場合、都道府県によって設置されていることがある「妊娠と薬情報センター」などの相談窓口に足を運ぶのが便利です。
医師や薬剤師などの専門家が、電話や外来で対応してくれます。妊娠と薬情報センターでは日本の研究データだけでなく、海外からも論文などの資料をもとに最新のデータを集めているため、個人に応じた最適な情報を教えてもらえます。
薬の情報をしっかりと受け取った上で、妊娠・出産を検討しましょう。
基本的には抗うつ薬を服用しているときに妊娠や不妊治療を続けても、あまり問題はないとされています。しかし、自己判断で薬を止めることで身体や心に影響が出る場合があります。必ず医師に相談の上、うつの治療や不妊治療を進めていきましょう。
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