記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子宮頸がんワクチンの副反応などとして現れることのある、「複合性局所疼痛症候群」をご存知でしょうか。今回は、複合性局所疼痛症候群の症状や治療法などをご紹介します。
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、怪我や手術の後に治癒の状況や手術などとは関係のない、激しい疼痛や腫脹などがみられるものをいいます。従来は肩手症候群や反応性交感神経性ディストロフィーなどといわれていましたが、1994年より複合性局所疼痛症候群と呼ばれるようになっています。
複合性局所疼痛症候群は人口10万人のうち、年間約5~26人に発症し、男性よりも女性に約3倍多くみられるといわれています。
原因は手術や捻挫、骨折などが多く、心筋梗塞やがん、脳卒中から発症することもありますが、原因不明の場合もあります。複合性局所疼痛症候群の症状としては、疼痛や腫脹、発汗異常や発赤、感覚過敏や感覚低下、筋肉や骨の萎縮など、幅広くさまざまな症状が現れます。
複合性局所疼痛症候群では、未だに確立された治療法はありません。ただし、早い段階で治療を行うことで回復が目指せます。
疼痛などの痛みがある場合には、抗炎症薬やオピオイドなどの鎮痛薬、抑うつ症状などがある場合には抗うつ薬など、症状に応じた薬が処方され、低出力レーザーの照射や温熱刺激などを通して刺激を与え、筋肉の弛緩や痛みの軽減を促すこともあります。
また、リハビリテーションで筋肉や関節を動かし、症状の悪化を抑える方法がとられることもあります。リハビリテーションは正常に治すことよりも、より良い状態にすることが目的です。そのほか、神経ブロック法と呼ばれる局所静脈内ステロイド薬注入は、ギプスによる固定後など、浮腫が強く、急性期の場合に有効とされています。
複合性局所疼痛症候群ではさまざまな症状がみられますが、焼けつくような痛みが特徴のひとつです。どこの診療科で診てもらえるか悩んでいる場合には、整形外科や脳神経外科、麻酔科などの診療科をおすすめします。
複合性局所疼痛症候群の症状は幅広く、その治療法もさまざまです。確立された治療法はありませんが、早期治療が重要なので、気になる症状が現れたら早めに専門外来を受診しましょう。
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