不妊治療の期間は年齢によって変わる?どんな形で進めていくの?

2018/8/29

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

近年、妊娠のための方法の1つとして、不妊治療は一般的になってきました。
しかし不妊治療の具体的な進め方については、あまり知られていませんよね。
今回は不妊治療の進め方について、その方法や段階、かかる期間や治療内容が変わる目安などを、わかりやすく解説していきます。

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不妊治療って段階的に進んでいくって本当?

不妊治療には、大きく分けて「一般不妊治療」と「高度生殖医療(ART)」と呼ばれるものの2種類があります。

以下に、不妊治療の第一段階である「一般不妊治療」と、第二段階の「高度生殖医療」にどのような治療法が分類されるのか、具体的にご紹介します。

第一段階:一般不妊治療

  • 妊娠しやすくなる排卵日の2日前にあわせて性交渉を行う「タイミング法」
  • 動きの良い精子取り出して子宮内に注入する「人工授精」

第二段階:高度生殖医療

  • 卵子と精子をシャーレの培養液のなかで受精させて子宮に戻す「体外受精」
  • 動きの良い精子を1個、卵子内に針で注入して受精させる「顕微授精」

上記のうち第一段階は比較的身体への負担が少なく、採卵や胚受精が伴うようになる第二段階に進むにつれて、身体への負担は増していきます。
このため、考えられる不妊原因によっても異なるものの、基本的に不妊治療は身体への負担が少ない第一段階から、段階的に進めていくかたちになります。

不妊治療にかかる期間ってどのくらい?

不妊治療にかかる期間の目安としては、治療開始から2年~2年半程度とされています。
不妊治療にかかる期間の内訳の概要は以下の通りです。

初診~検査・治療開始まで
不妊の原因を探るための生理周期や卵子・精子の検査を、初診から半年程度かけて行います。
タイミング法の実施
生理周期や卵子・精子の機能にひとまず問題がないと診断された場合は、生理周期にあわせて約半年間(6回程度)は、身体に負担の少ないタイミング法が行われます。
人工授精の実施
タイミング法で妊娠に至らなかった場合は、第一段階の人工授精に進みます。
生理周期にあわせて6回、半年程度の期間で治療を試みます。
体外受精・顕微授精の実施
人工授精で妊娠に至らなかった場合は第二段階に進み、採卵と胚移植のための十分な準備期間をとりながら、1年間かけて3~4回の体外受精・顕微授精を行います。

治療の成果は個人差が大きいですが、上記のような過程を経て治療する場合、目安として2年~2年半で約6割の人が妊娠に至るといわれています。
不妊治療にかかる期間については治療成果として公表している病院も多いので、詳しくは通院を検討している病院に問い合わせて確認しましょう。

年齢によって治療期間が変わることがあるって本当?

前項でご紹介した2年~2年半の治療期間は、あくまで一般的な目安です。
実際に不妊治療にかかる期間は、不妊の原因や女性の年齢などによっても変わってきます。

不妊治療によって妊娠に至るかどうかは、卵子の状態によるところが大きいです。
卵子の状態は年齢と共に変化し、高齢出産となる35歳以上になると卵子の質が落ち始め、治療による受精・妊娠も難しくなっていくといわれています。

このため、35歳を超えてから不妊治療を始める場合は、通常より短期間でテンポよく治療の段階を進めていく必要があります。
不妊治療の方法や期間は、女性の年齢や卵子の年齢によって大きく左右されるという事実は、しっかり覚えておきましょう。

おわりに:不妊治療の期間は、女性の年齢や卵子の状態によって変わる

不妊治療には大きく分けて2段階あり、治療は女性の年齢や考えられる不妊原因にあわせて、2年~2年半かけて段階的に行われるのが一般的です。しかし、不妊治療の成果は女性の年齢や卵子の状態によって左右されるところが大きいため、人によってはより短い期間で治療の段階を進めていくケースもあります。
いずれにしても、不妊治療の方法や期間、成果についての不安や疑問は、不妊治療を扱う婦人科の医師に相談してみましょう。

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