記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
頬の両側、目の周りを中心に左右対称のシミが現れる肝斑。
ただのシミではなく、ホルモンバランスの変化が影響して30代後半~50代頃までの女性に現れると言われていますが、飲み薬で治療することができます。
今回は肝斑治療用の飲み薬について、その効果や市販薬と処方薬の違いを解説します。
レーザーやピーリングなどで治療することの多い一般的なシミとは異なり、肝斑の治療では、一定期間飲み薬を服用するのが効果的といわれています。
肝斑の治療薬は、主に肝斑の原因である皮膚の色素・メラニンを作り出す「メラノサイト」という細胞に身体の内側から作用することで、肝斑の改善を目指すものです。目安としては約2か月間、メラニンの生成を抑える薬を中心に肌の代謝促進や美白効果のある薬などを、毎日続けて服用することになります。
すぐに効果の出るものではありませんが、約2か月間毎日服用し続けることでメラニンの生成が抑制され、肌の代謝に伴って徐々に肝斑が薄くなる有効な治療法です。
メラニン生成を抑制する作用があり、肝斑治療において中心的に使用される飲み薬の主成分は「トラネキサム酸」です。
肝斑治療を目的としたトラネキサム酸含有の薬は、皮膚科や美容外科の医師から出してもらえる処方薬のほか、ドラッグストアなどで買える市販薬も流通しています。
処方薬・市販薬の双方ともたしかにトラネキサム酸を配合していますので、どちらを服用しても、一定の肝斑治療の効果は期待できるでしょう。
ただし、処方薬と市販薬では1日分の用量に対するトラネキサム酸の含有量が異なります。
一般的な処方薬と市販薬のトラネキサム酸含有量の違いは、以下の通りです。
このように、処方薬と市販薬では1日分の用量に対してのトラネキサム酸含有量に倍近い差があるため、人によっては市販薬で十分な治療効果を得られないケースもあります。
できるだけ早く、確実に肝斑治療を進めたいなら、専門科である皮膚科や美容外科の医師からの診断を受けて処方薬を購入することをおすすめします。
肝斑の治療には、ここまで紹介してきたトラネキサム酸含有の飲み薬に加えて、肝斑の出ている部位へ塗り薬を使用するとより効果的であるといわれています。
よく肝斑治療に使われる塗る薬には「ビタミンC誘導体」「ハイドロキノン」「トレチノイン」の3種類があります。
以下に、肝斑に使用される3つの塗り薬の効果や使用上の注意点をまとめていますので、肝斑治療への理解に役立ててください。
この3つはそれぞれ医師の判断によって、トラネキサム酸含有の内服薬とあわせて処方されるのが一般的です。
肝斑治療には、シミの原因であるメラニン色素の生成を抑える「トラネキサム酸」含有の飲み薬が効果的です。また飲み薬に加え、肌を紫外線から守ったり、肌の代謝を活性化させるビタミンC誘導体・ハイドロキノン・トレチノインなどの塗り薬を併用することで、肝斑は治療することができます。飲み薬・塗り薬のどちらも処方薬の使用がおすすめですので、詳しくは皮膚科・美容外科などの専門医に相談してください。
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