記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
30代後半ごろから、女性の頬を中心に左右対称にシミが現れる肝斑。
治療には飲み薬が有効とされていますが、市販薬を使う場合の注意点はあるでしょうか?
今回は市販の肝斑治療薬について、その効果のほどや考えられる副作用、十分な効果が感じられなかった場合の対処法まで解説します。
肝斑治療への効果が期待できる主な市販薬としては、「トランシーノ®」「ハイチオール®C」「シナール®」の3種類が挙げられます。
以下に、これら3つの市販薬の効果や使用上の注意点などをまとめて解説しますので、参考にしてください。
シミの原因であるメラニン色素を作るメラノサイトの活性化を阻害することで、メラニンの生成と肝斑の発生を抑える効果が期待できます。
主成分はトラネキサム酸、あわせてL-システイン、ビタミンCが含まれています。
1日2回、約2か月間継続して服用する必要がありますが、血栓が現れやすい体質で脳梗塞・心筋梗塞などの既往症のある人、腎機能に問題がある人、透析治療を受けている人、妊娠中・授乳中の人は服用してはいけません。
メラニン色素の生成の抑制と肌の代謝を促す作用があり、いまある肝斑を薄くし、さらに新しいシミをできにくくする効果が期待できます。
主成分はL-システインで、他にはビタミンCも含まれています。
1日2回、1か月以上の継続的な服用が推奨されており、妊娠中・授乳中の服用も原則問題ないとされています。
メラニン色素の生成を抑え、肌状態を改善してシミを薄くする効果が期待できます。ビタミンCとパントテン酸を配合した、ビタミンC複合薬です。
1日3回、1か月以上の継続服用が推奨される薬で妊娠・授乳中の服用は問題ありません。ただし、血栓が現れやすい体質で脳梗塞・心筋梗塞などの既往症のある人や、腎機能に問題のある人の使用は、医師に相談のうえ慎重に行うべきとされています。
前項でご紹介した肝斑に効果的な市販薬「トランシーノ®」「ハイチオール®C」「シナール®」の3種類には、それぞれ以下のような副作用が起こる可能性があります。
副作用がどの程度出るかは個人の体質によって異なりますが、発症の可能性は薬を服用するすべての人にありますので、きちんと理解しておきましょう。
万が一、肝斑治療のための市販薬服用でこれらの副作用が現れた場合は、服用した薬と説明書を持って医師の診断を受けてください。
市販薬を2か月以上継続的に飲んでみても、いまひとつ肝斑の改善効果が感じられない場合は、医療機関で専門医による治療を受けるのが良いでしょう。
肝斑などシミの治療は病気ではないため、治療には美容外科を受診すべきというイメージを持たれがちですが、一般皮膚科でも診察や治療を受けられるところもあります。そのような皮膚科では、医師によるシミの原因分析と肝斑の診断だけでなく、その人の症状の程度にあった成分・効果の薬の処方もしてもらえます。まずは近隣の皮膚科に相談してみましょう。
肝斑に効果的な代表的な市販薬には、トランシーノ®・ハイチオール®C・シナール®の3つがあります。それぞれトラネキサム酸・L-システイン・ビタミンCを主成分とし、継続服用することでメラニン色素の生成を抑制し、肝斑を改善する効果が期待できます。ただし、市販薬の服用でいまいち効果を感じられない、または副作用や服用に不安があるという場合は、皮膚科を受診して医師から適切な薬の処方を受けるのが良いでしょう。
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