記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
目のかゆみや鼻づまりなど、さまざまな不快症状を引き起こす花粉症。実は近年、この花粉症の症状を緩和するには、腸内フローラの改善が有効といわれ始めています。詳しくは以降でご紹介していきます。
花粉症などのアレルギー疾患は、体の免疫システムに異常が起こり、本来なら反応しなくてもよい刺激に対して過剰に攻撃してしまっているために起こります。そして免疫システムのおよそ70%は実は腸が占めているといわれ、この腸の調子に影響を与えているのが腸内フローラの状態です。
つまり腸内フローラが乱れていると、花粉症を発症・悪化しやすくなる可能性があります。実際、アレルギー疾患を持つ子供の腸内フローラを健康な子供と比較したところ、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が少なかったという報告も得られています。
私たちの体内には、免疫細胞に司令を出すヘルパーT細胞というものが存在し、このヘルパーT細胞には「Th1細胞」「Th2細胞」という種類があります。健康な人はこの両者がバランスよく存在していることで、免疫機能が正常に保たれています。
このうちTh1細胞は、ウイルスに感染したりがん化した細胞を攻撃する作用を、Th2細胞は花粉などのアレルギー物質を排除する作用を持ちます。そして花粉症の人は、このTh2細胞が過剰につくられているために、諸症状が出るようになるということがわかっています。
このTh2細胞の過剰な生成を抑制する効果があるとされるのが、善玉菌である乳酸菌です。乳酸菌を摂取することでTh1細胞とTh2細胞の均衡がとれれば、花粉症の症状の緩和につながる可能性があります。
花粉症緩和効果のある乳酸菌は、ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品に多く含まれています。
なかでもおすすめなのがヨーグルトで、ヨーグルトは乳酸菌を豊富に含んでいるだけはなく、種類によっては「BB536」というビフィズス菌を含んでいることがあります。このBB536は花粉症の改善効果があるといわれている菌なので、花粉症でお悩みの方は試しに数週間、摂取してみてもいいでしょう。
人間の免疫システムの大半を司るといわれる腸。花粉症は免疫システムの異常からくるものなので、腸内フローラを改善することによって、花粉症の症状の緩和にもつながる可能性があります。花粉症でお悩みの方は、乳酸菌を含む食べ物を日々の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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