記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
痔には、いぼ痔(痔核)・切れ痔(裂肛)・痔瘻の3種類があり、いぼ痔では痛みがないのトイレのときに出血することがあります。鮮血色で量も多いため、初めて出血したときはショックを受けてしまう人もいるでしょう。
この記事では、いぼ痔とお尻からの出血の関係性について解説しています。
痔は日本人の4人に1人が悩んでいる症状ともいわれます。中でもいぼ痔は、男女問わずに多くみられる症状です。
いぼ痔は大きくわけると2つに分けられます。肛門の外側にできるいぼ痔を外痔核、内側にできるいぼ痔を内痔核といいます。
内痔核は、初期段階では明らかな痛みがなく、排便のときに突然の出血で気づくことがあります。鮮やかな鮮血でビックリしてしまう人もいるでしょう。
内痔核は重症度分類があり、出血のみの段階はⅠ度にあたります。症状が悪化すると、痔核が肛門の外にまで出てくるようになります。
Ⅱ度では、排便と共に出てきますが自然と戻ります。しかし、Ⅲ度では指で押し戻すことが必要となり、Ⅳ度は戻らなくなった状態です。
つまり、ひどく出血したにも関わらず、肛門付近に明らかな膨らみや違和感がないときには、Ⅰ度〜Ⅱ度の内痔核ができている可能性があります。
痔の治療というと手術のイメージがありますが、Ⅰ度〜Ⅱ度の段階では内服薬や塗り薬による薬物治療や、食生活や排便リズムといった生活習慣の見直しといった保存的な治療で改善がみられることがあります。しかし、Ⅲ度〜Ⅳ度と症状が悪化すると外科的な治療が検討されます。近年は外来で行えるゴム輪結紮(けっさつ)術といういぼ痔を切除する方法に加えて、ジオン注という注射を用いた方法もあります。
内痔核のみに行われる方法で、内痔核の付け根部分にゴム輪をかけ、自然とゴムが絞られることでいぼ痔が切除されるという方法です。通常は1〜2週間ほどで、いぼ痔が切除されて、ゴム輪も一緒に排泄されます。
処置そのもの短時間で終わり通常通りの生活が行えるため、体への負担も小さくて済むでしょう。ただし、ゴム輪結紮術は、いぼ痔の大きさや硬さによって行えないことがあります。
「ALTA」は硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸の略です。内痔核の周りに注射をすることで、内痔核に血液が行かなくなり、内痔核を徐々に硬く小さくしていく治療方法です。
2005年に始まった治療方法で、治療をする医師は特殊な技術を習得している専門医である必要があります。局所麻酔をして行う治療のため、日帰り治療のほか、短期間の入院で行うという医療機関もあります。
いぼ痔の出血は鮮やかな血が大量にでることがあります。中には貧血を起こしてしまうほどの出血量のこともあり、下着に血が付いてしまうということもありえます。
出血がなかなか止まらなときは、トイレットペーパーで肛門を拭くのではなく、ぎゅっと押して圧迫すると良いでしょう。あまりにも出血が続いたり、血液の色が黒っぽいといったときは、別の病気が隠れていることもあります。早めに医療機関を受診し、必要な検査を受けるようにしましょう。
いぼ痔の中でも内痔核は、痛みなどの自覚症状がなく、排便時に突然出血をしてびっくりしてしまうということがあります。内痔核には重症度分類があり、必ずしも手術を行うわけではありません。生活週間の改善や薬物療法で治療をする保存療法のほか、日帰りでできる治療や注射で行える治療など、身体や生活への負担が軽減されてきています。
早めに治療を開始すれば、より負担の軽い治療となりますから、後回しにせずに医療機関の入り口をくぐりましょう。
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