どのくらいの数値になると脂肪肝とみなされる?おすすめの解消法は?

2018/10/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

肝硬変や肝臓がんのリスクを高めるともいわれる「脂肪肝」。暴飲暴食をしている人は特に注意が必要な疾患ですが、肝機能の数値がいくつなら脂肪肝の疑いがあるのでしょうか。改善方法と併せてご紹介していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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脂肪肝とは

「脂肪肝」とは、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気です。健康な肝臓にも約4%の脂肪分がありますが、脂肪肝は肝細胞の30%以上に脂肪が溜まった状態です。原因は、過剰な飲食や飲酒、運動不足、肥満や無理なダイエットなどさまざまで、使い切れなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられます。

これまでは軽い病気と考えられてきましたが、今ではさまざまな生活習慣病のリスクを高め、肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性もあることがわかっています。肝臓は沈黙の臓器といわれますが、疲れやすい、肩がこる、頭がボーッとする、右上腹部が重い感じがするといった症状がでることもあります。思い当たる人は健康診断の結果を見直しましょう。

脂肪肝の目安となるのはGOTとGPTの値で、高いほどリスクも高まります。食べ過ぎなどではGOT<GPTで中性脂肪やコレステロールなどの値も高くなり、アルコール性ではGOT>GPTでγ-GTPも高くなります。

どのくらいの数値になるとリスクがある?

GOT・GPT の基準値は30以下ですが、20以上であれば脂肪肝予備群と考えられます。値が30~49であれば比較的リスクは低く、すぐに生活・食事習慣を見直すことで1~2年で改善が可能です。50~99であればリスクは中程度で、すでに脂肪肝などなんらかの障害が起きています。

脂肪肝になると、肝臓の細胞の中の血管が脂肪に圧迫されて血行不良となり、機能低下が起こります。放置していると体の他の部分にも影響が出て、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まりますので、まず受診することが必要です。

なお、値が100以上であれば、すでに大きな病気になっている可能性大です。ウイルス性肝炎の可能性もあり、GOTだけが100以上であれば心筋梗塞の疑いもあります。自覚症状がなくとも、必ずすぐに受診するようにしましょう。また、γGTPが200以上の場合は、無症状で進行するアルコール性肝障害、胆石や胆道がんなどの疑いがあります。すぐに受診して下さい。

脂肪肝を改善するには、どんなことをすればいい?

脂肪肝の原因は生活習慣にありますので、これを改善することが大切です。食生活の改善、運動、禁酒をし、体重を2kg減らしただけでも肝臓に蓄積された中性脂肪は減り、肝機能が回復します。

食生活では、糖質、特に果物の果糖の摂り過ぎに注意し、カテキンを含む緑茶などで活性酸素を抑えましょう。食事は野菜→たんぱく質→炭水化物の順番によく噛んで食べ、血糖値の急上昇を防ぎましょう。運動では、軽い筋トレで脂肪を燃焼させるように、スクワットや片足立ちを習慣にすると良いでしょう。

肝臓についた脂肪はとれやすいものの、脂肪は肝臓からつくという特徴があるので、一時的に減っても生活習慣が元に戻れば再発してしまいます。再発した脂肪肝は、重症タイプの非アルコール性脂肪肝炎に進みやすいといわれているので注意が必要です。

おわりに:GOT・GPTの値が50以上なら脂肪肝の恐れが

GOT・GPTの値が50以上になると、すでに脂肪肝である可能性が高いといえます。脂肪肝は、さまざまな生活習慣病のリスクを高め、肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性もあることがわかっています。GOTやGPTの数値が高ければ早めに病院で詳しい検査を受け、脂肪肝の場合は食生活の改善、運動、禁酒をして改善していきましょう。

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脂肪肝(21) GOT(3) GPT(3) γ-GTP(5)