記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腎臓が作り出すホルモンにはどのような働きがあるのでしょうか?血圧や骨の健康維持に関わっているともいわれる、腎臓が産生するホルモンの重要性について解説していきます。
腎臓で産生されるエリスロポエチンというホルモンには、骨髄に働きかけて主に赤血球の産生を促進する作用があります。
また赤血球自体には肺で酸素を受け取って体中に運搬する働きがあり、赤血球が減少すると貧血と呼ばれる状態になります。
つまり、腎臓機能が低下すると、腎臓から産生されるエリスロポエチンが減少して血液の産生が十分に行えなくなるため、貧血になりやすくなるのです。
腎臓のろ過機能が正常に働くためには、血液が滞りなく流れていることが必要となります。
腎臓には、血液の流れが滞ったときにそれを感知し、「輸入細動脈」と呼ばれる血液を供給する血管からレニンと呼ばれる物質を作り出す機能があります。
レニンとは、「アンジオテンシンⅡ」と呼ばれる血管を収縮させる作用のあるホルモンに働きかけて、血圧上昇を促す物質のことです。
このような仕組みにより、腎臓は血圧を一定に保つことができているのです。
腎臓を健康に保つ上では、骨を丈夫にする作用のある「活性型ビタミンD」というホルモンが深く関わっています。
活性型ビタミンDとは、食品に含まれる栄養素であるビタミンDが、肝臓と腎臓の尿細管で酵素の働きを受けて変化したもので、腸からのカルシウム吸収を助けたり、骨を丈夫にする作用があります。
活性型ビタミンDが欠乏すると骨が脆くなるクル病になったり、腎不全でビタミンDの活性化が正常に行えなくなると骨が脆くなることがあります。
このように、健康な体を保つためには腎臓で作られるホルモンの働きが重要となります。
腎臓には、骨髄に働きかけて主に赤血球の産生を促進するエリスロポエチンや、アンジオテンシンⅡに働きかけて血圧上昇を促すレニン、骨を丈夫にする作用のある活性型ビタミンDなどのホルモンが深く関わっています。健康な体を維持するためには、これらの腎臓のホルモンの働きが必要不可欠となります。
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