記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
がんの種類によって治療法は異なりますが、腎臓にがんができた場合、どのような治療を行うのでしょうか?また、治療後はどのようなことに気をつければいいのでしょうか?以降では腎臓のがん「腎細胞がん」について解説していきます。
腎臓には大きく分けて、腎実質と呼ばれる尿を産生する部分と、腎盂と呼ばれる尿が集まる部分があり、腎臓にできるがんの約9割は腎実質にある尿細管の細胞ががん化したもので、これを腎細胞がんといいます。
腎細胞がんは初期の状態の頃は自覚症状があまりなく早期発見が難しいとされていましたが、最近では健康診断や人間ドック、他の病気の検査を行った時に一緒に発見されることが増えており、腎細胞がんの約70%は無症状のうちに見つかっています。
腎細胞がんが見つかった場合、病状などにあわせて以下の治療方法が選択されます。
腎細胞がんの治療では、病期を問わずがんのある側の腎臓を手術で摘出する治療法が基本的に行われ、肺などに転移が見られる場合でも手術が適応されます。
一般的には腎摘除術(根治的腎摘除術)と呼ばれるがんのある腎臓ごと切除する方法が用いられますが、がんが小さい場合は腎部分切除術が行われることもあります。
最近では、手術法の進歩に伴い身体への負担がより少ない手術が可能になっています。
免疫療法と分子標的治療の2つの治療法に分けられ、がんが進行している場合、他の臓器に転移が見られる場合、がんが再発した場合などに適応されます。
抗がん剤は腎がんに対してあまり効果が見られないため、使用されることは少ないです。
腎がんに対しての効果は乏しいため、基本的にはあまり使用されない治療法ですが、脳や骨などに転移が見られる場合の一時的ながんの進行抑制や痛みの緩和を目的として用いられることがあります。
基本的には術後1~2週間ほどで軽い作業であればできるようになり、1ヶ月ほどで通常通りの生活を送れるようになる場合が多く、一般的なスポーツであれば問題なくできるくらい回復するといわれています。
ただし、転移が見られる患者さんの場合は、転移巣に対する治療を行う必要があるため、術後すぐに元の生活に戻るというのは難しいことが多いです。
腎がんの摘除術後は、一時的に腎機能の全体的な低下が起こりますが、しばらくすると残っている方の腎臓が摘除を受けた腎臓の代わりを担うために肥大して、ほとんど正常な腎機能に戻ります。
しかし残された腎臓を健康に保つためには、糖尿病・高血圧・高尿酸血症などの腎機能低下を促す生活習慣病を予防することが必要です。
また、以下のような日常生活での注意点の他にも、残った腎臓機能の維持に必要なことがあるかどうかを主治医に確認しておきましょう。
また術後は定期的に通院し、フォローアップ(経過観察)と呼ばれる体調管理や再発の有無の確認を行う必要があります。
腎がんは5年以上経過した後でも再発する恐れがあるため、医師の指示のもとで定期的な検査を続けていくことが大切です。
腎臓にできるがんの約9割は、腎実質にある尿細管の細胞ががん化した腎細胞がんと呼ばれるものです。腎細胞がんの治療では病期を問わず、肺などに転移が見られる場合でも基本的に摘出手術が適応されます。また術後は、糖尿病・高血圧・高尿酸血症などの生活習慣病の予防や経過観察を行うことが必要となります。
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