記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/12 記事改定日: 2020/10/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は「一次予防」が大切といいますが、どんな対策や行動を意味するのでしょう。一次予防としての運動、食生活、たばこ、飲酒などの見直しのポイントを紹介していきます。また、二次予防、三次予防についても説明します。
生活習慣病は、「食事や運動習慣、ストレスや喫煙、飲酒といった生活習慣が、発症や症状の進行に関わっている」と考えられている病気をまとめた呼び方です。
また、こういった症状を放置することで、脳血管障害(脳卒中)、心臓病、がんなど命にかかわる病気につながることもあります。たとえ命は助かったとしても、全身状態の悪化や重篤な後遺症を残すこともあります。
日本人の65歳以上の死因の第1位はがんですが、2位に心臓病、3位に脳血管障害と続いています。これを受けて厚生労働省は、国民全体の健康を保つために、生活習慣病の予防についての取り組みを行っています。
生活習慣病は急に発症するものではなく、徐々に発症のリスクが高まっていく病気です。症状が悪化する前に生活習慣を見直したり、健診などで病気を早期に発見し、必要であれば治療を開始したりすることが予防につながると考えられています。
推奨される予防の段階として、一次予防、二次予防、三次予防があります。
次項では一次予防について、運動や食事などの項目ごとにポイントを紹介していきます。
生活習慣病を予防するためには、生活習慣病に関わっているとされる生活習慣を見直していくことが勧められます。
運動習慣は生活習慣病の予防につながります。好きなスポーツがない、運動が得意ではないという人は、普段の生活の中で「体を動かす習慣」を積み重ねていってもかまいません。
たとえば、買い物は歩いて行く、エレベーターではなく階段を使う、オフィスでも筋肉を意識して動く、などの小さな運動を習慣化していきましょう。
油の多い食事や、味付けの濃い食事、同じ食べ物ばかり食べているといった「栄養バランスの偏り」も生活習慣病の要因となります。肉、野菜、魚など食材の種類を多めにバランスよく食べましょう。
過度な飲酒を続けると、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝につながるといわれています。脂肪肝は、肝硬変や肝臓がんのリスクが高めます。
たばこには多くの有害物質が含まれ、健康にさまざまな悪影響をもたらします。また、自分だけではなく、周りの人の健康にも影響があります。今すぐにでも禁煙をしましょう。
睡眠は疲労を回復させます。規則正しい睡眠を意識しましょう。寝る直前にカフェインの入った飲み物を飲んだり、スマートフォンやパソコンの画面を見たりすることは睡眠の質に影響を与えます。睡眠前の飲みものは、ハーブティやホットミルクなどノンカフェインのものを選びましょう。
ストレスを蓄積させると、体調や睡眠に悪影響が出ることもあります。適度な運動や、自分なりのストレス発散方法を見つけておくことが大切です。
近年、歯周病はさまざまな全身疾患に関わることが明らかになってきています。食後の丁寧な歯磨きを行うことはもちろん、歯科で定期的にメンテナンスを受けることも大切です。
自身の体の変化を知るために、健康診断結果を活用しましょう。健康診断の目的は、体に病気があるかどうかを知るだけではありません。総合的には正常の範囲であっても、前回の基準値と結果を見比べ、体がどのように変化しているかを自覚し、生活を見直すきっかけづくりにもなるのです。
毎年の結果を比較して、大きく変化している数値がないかを確認し、生活習慣病の早期発見や予防に努めましょう。
生活習慣病は、日頃の生活習慣の積み重ねによって発症する病気をまとめた呼び方です。がんや脳卒中、心臓病、糖尿病など耳にすることが多い疾患も含まれています。食事や運動、喫煙や飲酒といった基本的な生活習慣が、生活習慣病の発症や進行に関わっていると考えられています。高齢者・シニアだけでなく、若いうちから気をつけることが大切ですので、健康診断を定期的に受診しながら、ライフスタイルを見直していくことが大切です。
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