記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
ニキビというと、脂っぽいものを食べたときや脂性肌の人にできるイメージがありますが、乾燥肌の人にもできることがあります。一体何が原因でニキビができてしまうのでしょうか?
大人ニキビは、実は皮膚の乾燥が原因でできることが多いです。そもそもニキビは、毛穴に角栓や皮脂が詰まって塞がり、その毛穴に皮脂が分泌され続け、内部に皮脂が溜まって菌が増殖した結果できるものです。
この角栓や皮脂の詰まりは、肌のバリア機能がちゃんと働いていれば基本的には起こりません。しかし乾燥肌の人はバリア機能が低下しているため、ターンオーバーの乱れから角質が厚く硬くなったり皮脂分泌が過剰になって、毛穴が塞がってニキビが発生しやすくなっています。
また、乾燥状態を潤すために皮脂が過剰分泌されてしまうことも、ニキビの発生要因の一つです。実際、大人ニキビは頬や顎など、乾燥しやすいUゾーンでも発生する傾向があります。
乾燥肌の人のニキビ対策としては、厚くなった角質を定期的にケアし、皮脂の分泌量をコントロールすることがポイントになります。週に1度くらいのペースでピーリング効果のあるスキンケア用品を使い、角質を薄くしていきましょう。
また、角質のバリア機能を回復させるセラミド入りの化粧水で保湿をするのもおすすめです。その際は水分が蒸散しないよう、乳液やクリームなどでしっかりフタをすることも忘れずに行いましょう。
そしてニキビができてしまった場合、セルフケアや市販薬で治そうとするのではなく、皮膚科を受診するのも効果的な対策です。近年では、角質代謝を改善して毛穴の詰まりを取り除きつつ、炎症を抑制してくれるニキビ用の塗り薬を保険内診療で処方してくれる皮膚科もあります。間違ったセルフケアで痕になってしまうこともあるので、綺麗に治したいのであれば、専門医の治療を受けましょう。
ニキビは脂性肌の人にだけできるものではなく、乾燥肌の人にもできるものです。秋冬などの空気が乾燥する季節に保湿ケアを行わないと、皮膚のバリア機能が低下するだけでなく皮脂の過剰分泌も促し、ニキビの発生につながる恐れも。日頃からしっかりスキンケアを行い、ニキビができてしまった場合は皮膚科の受診も選択肢に入れておきましょう。
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