記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脂質異常症の基準となるコレステロールの数値。ただ、値がいくつなら正常、いくつなら要注意かご存知でしょうか。以降では最新のコレステロール値の基準についてお伝えしていきます。
国内の医師の多くが参考にしている日本動脈硬化学会のガイドラインでは、「脂質異常症(※1)」の基準範囲として下記を設けています(単位はすべてmg/dL)。
※1)脂質異常症:血中の悪玉コレステロールやトリグリセライドなどの脂質が一定の基準よりも多い状態、あるいは善玉コレステロールが少ない状態のこと。血中に余分な脂質が溜まることで動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを上げる。
※2)Non-HDLコレステロール:リポ蛋白やレムナント(食べ物から吸収したコレステロールが、小腸から肝臓に運ばれたもの。近年、動脈硬化の要因として注目を集めている)など、血管に悪さをするすべてのコレステロール。総コレステロールの数値から善玉コレステロールの数値を引いたもの。
2014年の4月、日本人間ドック学会がコレステロール値の基準を改定したのですが、それが従来よりも緩いもの(LDLコレステロールの基準範囲が男性の場合「72~178mg/dL」、45~64歳の女性の場合「73~183mg/dL」など)だったため、一時期話題となりました。
ただ、日本動脈硬化学会のガイドラインではLDLコレステロールが「140mg/dL」以上で異常値と見なしていたこと、180mg/dLを超えると心筋梗塞の発症リスクが大幅に上がること、また基準範囲のもととなる調査対象に偏りがあったことなどから指摘を受け、2018年10月現在、日本人間ドック学会での基準は下記のように改訂されています(単位はすべてmg/dL)。
なお、上記の「基準範囲」とは、「将来、脳・心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲」と定義されています。
過去に特定の学会が基準範囲を改訂したことなどから、正確な基準値がわかりにくくなってしまっているコレステロール。近年では新しく「Non-HDLコレステロール」という項目も登場し、さらに解釈が難解になってしまっています。血液検査の結果の数値でわからないことがあれば、検査を受けた医療機関に尋ねてみることをおすすめします。
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