記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
毎年冬になると食欲が増し、決まって冬太りになってしまう……という人は決して珍しくありません。実際、その原因の多くは、忘年会シーズンに伴う食べすぎ・飲みすぎや運動不足です。ただ、冬の食欲増進の原因として、「冬季うつ」が隠れている可能性も。詳しくは以降で解説します。
夏場はそこまで太ることはないのに、冬になると毎年太ってしまう――その原因として、一般的に下記のことが挙げられます。
冬太りの多くは、上記に挙げた事柄が原因です。ただし、太るだけでなく、下記のような症状が毎年冬に起こるという場合は、単なる冬太りではなく「冬季うつ」の可能性があります。
冬季うつが冬太りや食欲増加を招く理由は、「セロトニン」の不足です。
セロトニンは不安感の軽減や気分のコントロール、さらに食欲のコントロールも司る脳内の神経伝達物質です。このセロトニンは、日光に当たった時間によって分泌量が調整されるという特徴があります。つまり、日照時間の短い冬はセロトニンが分泌量が減るため、食欲を抑えるのが難しくなってしまうのではないかと考えられています。
また、セロトニンは、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」が脳に運ばれることで生成されます。トリプトファンは体内で作ることのできない物質で、食事からでしか取り入れることができません。このトリプトファンを多く含むのは、お肉や赤身の魚、大豆などのタンパク質、ナッツ類で、さらにトリプトファンの吸収をサポートするのが炭水化物やバナナなどのビタミンB6です。
このことから、冬季うつになるとトリプトファンの吸収を促進する食べ物を体が欲するために、炭水化物を食べたがるようになるのでは、とも考えられています。
「冬太り」というのは一般的な言葉ですが、冬になると太るだけでなく、過眠や気分の落ち込みなどの症状も見られる場合は、原因として「冬季うつ」が潜んでいる可能性があります。ご紹介した症状で悩んでいるようでしたら、心療内科や精神科などの専門外来を受診しましょう。
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