記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/2/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
りんご病は、主に子供にみられる「伝染性紅斑」で、頬が赤くなるのが特徴です。りんご病は飛沫感染や接触感染でうつる病気のため、誰かが発症すると家族や同級生など、周囲の人にうつしてしまう恐れがあります。この記事では、りんご病が周囲の人にうつる期間とともに、保育園や学校などを休んだほうがいいかどうかを解説します。
りんご病とは伝染性紅斑といい、主に子供にみられる流行性発疹性疾患のことをいいます。頬に出現する蝶翼状(ちょうよくじょう)の紅斑を特徴とし、両方の頬がリンゴのように赤くなることからりんご病という名前が付けられました。年始から7月上旬頃にかけて患者数が増加し、9月頃になると減少します。5~9歳での発生がもっとも多く、その次に0~4歳が多くなっています。
リンゴ病の原因は単鎖DNAウイルスの、パルボウイルス科パルボウイルス亜科エリスロウイルス属に属するヒトパルボウイルスB19です。このウイルスの感染経路は、くしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによって感染する飛沫感染、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染となります。
りんご病に特徴的な症状として、境界がはっきりとわかる紅い発疹が両頬にあらわれたのち、手・足に網目状・レース状・環状などと表現される発疹がみられます。発疹は1週間前後で消失しますが、中には長引いたり、一度消えた発疹が短期間のうちに再び出てくることもあります。大人がりんご病になった場合には関節痛・頭痛などを訴え、関節炎症状により1~2日歩行困難になることもあります。
ちなみに、頬に発疹が出現する7~10日くらい前に、微熱や風邪のような症状などといった前駆症状がみられることが多いのですが、この時期にウイルス血症をおこしているため、ウイルスの排泄量が最も多くなります。発疹が現れたときにはウイルス血症は終息しているため、ウイルスの排泄はほとんどなく、感染力はほぼ消失しています。
つまり、発疹が出る前にウイルスが排泄されているため、家族の誰かがりんご病に感染したことがわかった時点で、ほかの人もりんご病の原因ウイルスを保菌している可能性が非常に高いという厄介な病気なのです。
前述したように、りんご病は両頬に紅斑がみられた時点では感染力がほとんどないため、本人が元気であれば登園してもかまいません。
また、学校保健安全法においても明確な取り決めがないことが特徴です。しかし、条件によっては、第3種の感染症の「その他の感染症」に当たるとして、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまでの期間の出席停止の措置が必要となる場合もあります。
りんご病はヒトパルボウイルスB19の感染によって起こる病気です。両頬の紅斑が主な症状で、感染経路は飛沫感染、接触感染となります。ただ、りんご病は症状が出る7~10日前がウイルスの排泄量が多く、症状が出た頃にはウイルスの排泄量はほとんどなくなっているという厄介な病気です。そのため、症状が出た後は保育園などにも普通に通うことが可能ですが、気になるようでしたらかかりつけの病院を受診して医師に相談してみましょう。
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