嚥下障害

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

嚥下障害は嚥下が困難なことを意味します。嚥下障害を持つ人は、固形の食べ物、液体、唾液を飲み込むときに痛みがあり、まったく飲み込むことができないこともあります。

症状

嚥下障害がある場合、以下の症状があてはまるかもしれません。
・嚥下中の痛み
・窒息しそうな感じ
・何かが喉に詰まっている感じ
・食べると咳き込む
・嘔吐しそうになる
・口臭
・よだれ
・体重の減少
・胸焼け
・脱水症状
・不意に食べ物や飲み物を飲み込んでしまう(誤嚥)
※肺炎などの肺感染症を引き起こす可能性があります。

原因

神経および筋肉障害

嚥下障害は、高齢者でより一般的で、食習慣など多くの要因によって引き起こされます。食習慣としては、速く食べる、咬まない、横になって食べる、食べている間に水を飲まないことなどが原因となります。歯の痛みや欠損のために適切に噛むことができない場合にも、症状が出ることがあります。

神経および筋肉障害

脳卒中既往、パーキンソン病、多発性硬化症、筋ジストロフィーなど、嚥下自体に問題を有していている人にもみられます。これらの疾患では、食道の神経や筋肉の機能が障害され、食べ物の移動が遅くなったり、食道詰まったりすることがあります。

食道自体の問題

たとえば、胃酸が逆流すると、食道を損傷し、瘢痕(ルビ)をつくる可能性があります。食道の瘢痕は食道の開口部を狭くし、嚥下障害を引き起こす可能性があります。

その他の障害

癌や甲状腺の腫大または心臓の肥大が食道を圧迫し、嚥下障害を引き起こすかもしれません。

診断

医師は、どのような食品や飲み物で嚥下に障害が出るか、また、痛みはあるか、胸焼けが頻繁にあるかどうかなどを尋ねます。咳が出たり、吐血したかどうか聞くかもしれません。障害があると診断した場合、バリウム嚥下と呼ばれるX線装置による検査を行い、原因を調べます。内視鏡検査を行うこともあり、その際は、がんやその他の嚥下障害の原因を除外するため、少量の組織を採取します。鎮静剤によって喉は麻酔状態になるので、チューブ挿入時に痛みを感じることはありません。

治療

治療法は、原因によって異なり、食習慣が原因である場合は、よく噛み、食べている間にもっと水を飲むなど、飲み込み方を改善する方法が指導されます。また、嚥下中に頭の角度と位置を変えるように勧められたり、舌や食道のような嚥下筋肉を強化するための方法が指導されるかもしれません。場合によっては、原因の治療のため、薬や他の治療法を行います。嚥下障害が胸やけによって引き起こされる場合は、食前に制酸剤または酸減量剤の服用、失調症を引き起こす筋肉に問題がある場合は、ボツリヌスを使用して喉の筋肉をリラックスさせ、嚥下を容易にします。
腫瘍や他の何かが食道を塞いでいる場合には、手術が必要になることもあります。

医師に相談するための質問

・嚥下障害を改善する食べ方はありますか?
・嚥下障害の治療薬はありますか、また、副作用はありますか?
・手術は必要ですか?他のオプションはありますか?
・嚥下障害は別の病気の徴候ですか?
・嚥下障害を改善する飲み込み方はありますか?

この記事に含まれるキーワード

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