記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2022/3/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
四季のある日本では、季節によって旬の食べ物がありますよね。旬のものを食べると、その時期に私たちの体が欲している栄養素を採れるといわれています。この記事では、これから旬を迎える春野菜の魅力を、その特徴や食べることで得られる健康効果、おいしくいただくためのレシピまでまとめて解説していきます。
春野菜とは、3月から5月頃に旬をむかえる野菜のことです。野草からスーパーなどでよく目にする普通の野菜までたくさんの種類がありますが、新芽が芽吹くこの時期の野菜は特有の香りやほのかな苦味、歯ごたえが楽しめます。また、春野菜の香りや苦味は、ただ風味を良くするだけでなく、以下の効果が期待できるといわれています。
春野菜には、テルペン類という香り成分が多く含まれています。テルペン類は、春らしいさわやかで豊かな香りが特徴で、ストレス緩和、血行促進、抗酸化作用など、心身の健康に嬉しい効果も期待できます。
厳しい冬を超えた春野菜には新陳代謝を高め、冬の間に溜まった老廃物を体の外へ排出する作用のある植物性アルカロイドが含まれています。この植物性アルカロイドが、春野菜特有の苦みの正体です。春野菜の苦みをうまく活かすことは、料理の美味しさを彩るだけでなく、デトックス効果が期待できます。
ここでは、代表的な春野菜の旬の時期と調理時のポイントをご紹介します。
最後に春野菜うち菜の花、ふきのとう、あしたばを使った料理の作り方を紹介します。どれも簡単な下処理と調理で作れますし、アレンジしやすいです。ぜひ毎日のメニューに取り入れてください。
2皿分の食材として、菜の花を1束、タマネギ1/4個、生ハム2枚を用意します。
まず、菜の花の下ごしらえから行います。根元の硬い部分を切り、塩少々を加えたお湯で色が変わる程度までさっと湯がいて、冷水にとります。タマネギは食感と風味をのこすため、薄切りにしてさっと水にさらしておいてください。
あとは、水を切った菜の花とタマネギ、生ハムをボウルに入れてお好みのドレッシングで和え、盛り付ければできあがりです。お好みで黒コショウを振ってもおいしくいただけます。
2人分の材料として、ふきのとうを6個用意します。
ふきのとうは赤茶色の皮を外し、塩少々を入れたたっぷりのお湯に入れて30秒ほど下茹でし、冷水にとって5分ほどさらします。ふきのとうを水にさらしている間に、ボウルにかつおだし大さじ3、醤油・みりんを書く小さじ1/3ずつ入れて混ぜておいてください。
ふきのとうの下処理が終わったら、作っておいた調味液の中にふきのとうを5分ほど浸して味をしっかり含ませたら完成です。
2人分の材料として、あしたばを200g、花かつお少々を用意します。あしたばは、茎の部分と葉の部分が分かれるよう、ざっくり2等分しておいてください。
塩少々を入れたたっぷりのお湯を用意し、あしたばの茎を入れて1~2分茹でます。その後葉の部分も入れて、さらに1~2分茹でたら流水で冷まし、水に浸しておきます。味見してみて、エグみが気にならない程度まで灰汁が抜けたら、よく水気を切って食べやすい大きさにカット。4倍濃縮のめんつゆ大さじ3をもみ込むように和えてください。
最後に、もう一度あくと一緒に水気を切って盛り付ければ出来上がりです。ちなみに、めんつゆによる味付けは、先ほどのふきのとうのおひたしにも応用できます。
春野菜にはビタミンやミネラル、カリウム、食物繊維など、私たちの健康に嬉しい栄養成分がたくさん入っています。特有の香りや苦みが苦手という人もいると思いますが、あわせる食材や味付けを工夫すれば、苦味はあまり気にならなくなります。旬の時期に少しずつ取り入れるだけで、血行促進や便秘予防、美肌、抗酸化作用や発がん予防の効果まで期待できるので、ぜひ春の食卓に加えてみてください。