大人にもみられる症状、「痙性斜頸(けいせいしゃけい)」とは

2017/11/14 記事改定日: 2020/1/23
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

痙性斜頸とは、首の筋肉が異常緊張し頭が左右や前後に固まって動かなくなるジストニアの一種です。
この記事では、痙性斜頸の症状や治療法について解説していきます。

痙性斜頸(けいせいしゃけい)の症状の特徴とは?

痙性斜頸では次のような症状が現れます。

  • 首が動かしにくく、ねじれ・傾きが生じやすいなどの違和感がある
  • 肩や首のこり、頭痛が起こりやすくなる
  • 首に痛みを伴う筋肉の収縮やけいれんが生じる
  • 安静にしていても首が震えることがある
  • 次第に首の動きが悪くなり、首が回せなくなる
  • 肩やその周囲の背中の動きも悪くなり、正常な姿勢が保てない

痙性斜頸の症状は首や肩の違和感などから始まるため、発症初期の段階では気づかれにくいといわれています。しかし、できるだけ早期に治療を開始した方が早い回復が見込めるため、思い当たる項目が長く続くときは、軽いものであってもその段階で病院を受診して診察を受けるようにしましょう。

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痙性斜頸は何が原因なの?

痙性斜頸は大脳の運動システムが機能障害をおこして発生する病気ですが、脳の機能障害が発生する理由はいまだにはっきりとした原因がわかっていません。

発症の原因として

  • 脳疾患からの合併症や後遺症
  • 薬の副作用
  • 無理な姿勢を長時間、長期間とり続けたこと
  • 精神的なショックや過度の疲労

などが関連していると考えられています。

30~50代の人が発症しやすく、海外の研究では女性に多いとされています。しかし、未成年での発症も少なくなく、国内の症例では男性の方がやや多くなっています。

痙性斜頸はどうやって治療するの?

痙性斜頸の治療では、まず超音波や筋電計を使い筋肉の緊張状態を調べ、どの程度痙性斜頸が進んでいるか、どの筋肉が原因となっているかを確認し、治療方針を決定します。
痙性斜頸は症状を和らげる対症療法が中心であり、薬を使った治療、ボツリヌス療法で治療することが多いです。

また、精神的なストレスを除去することをめざした心理療法や、筋肉のこわばりをほぐすリハビリ療法、鍼灸療法などが行われることがあります。

薬物治療

痙性斜頸は、不安や緊張を和らげる精神安定薬や、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬使って治療をすることが多いです。
また、パーキンソン病に有意な薬や抗てんかん薬なども、筋肉のこわばりや神経細胞の興奮を抑制する効果があるとされています。
ただし、痙性斜頸そのものを治す薬は、今のところありません。

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ボツリヌス療法

薬物治療で効果が得られなかった場合、ボツリヌス療法が選択されることがあります。ボツリヌス療法とは、痙性斜頸の症状を引き起こしている筋肉にボツリヌス毒素製剤を注射して、筋肉の過度な緊張をとっていく治療法です。

  • 特定の病院でしか行えないこと
  • 数か月しか効果が持続しないため、継続して治療を続ける必要がある
  • 最初の投与はごく微量のため、効果が見られない場合があること

といったデメリットもあります。

手術的療法

症状によっては、脳の神経細胞を働かないようにし筋肉の緊張をとる定位脳手術や脳深部刺激治療が行われる場合もあります。

痙性斜頸は予防できる?

痙性斜頸の原因のひとつが筋緊張の継続なので、予防にはストレッチやヨガが効果的です。ただ、症状が出ている場合かえって悪化させる可能性があるので、理学療法士など専門家の指示を受けて正しい方法で行いましょう。

また、仕事などで長時間無理な姿勢をとり続けないことや、ストレスにさらされないようにすることも痙性斜頸の予防に重要です。

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おわりに:痙性斜頸と思われる症状があるときは、早めに病院に相談を

痙性斜頸は、発症から1年以内だと自然治癒する場合もあり、治療の効果も出やすい病気です。しかし、放置していると症状は徐々に進行し、治療の効果も表れにくくなります。首に違和感があれば、早めに診察を受け、適切な治療を行いましょう。

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