記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/5/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
たんぱく質は、筋肉・皮膚・頭髪など、人間の体のもとなる成分であり、生命活動に必要な成分です。たんぱく尿とは、その名前が示す通り「基準値を超えた量のたんぱく質が含まれた尿」のことで、尿検査でたんぱく尿という結果が出ると、腎臓の病気の可能性が懸念されます。この記事では、たんぱく尿の基礎知識について解説していきます。
尿は腎臓で血液が濾過されてできあがったものであり、余分な成分や不要な成分が含まれています。腎臓で血液を濾過する役割を担っているのはおもに糸球体です。糸球体が正常に機能することで、老廃物などの不要な成分は適切に濾過されて尿と一緒に排出されます。本来、必要なたんぱく質はこのときに再吸収されて血液に戻りますが、糸球体に異常が起こってこれらの機能が低下すると、たんぱく尿が排出されることがあります。糸球体の異常は腎臓の病気を引き起こす原因になりますし、腎臓の病気が糸球体の異常を引き起こすこともあります。
ただし、上記のように腎臓の病気などはないのに、一時的に尿に含まれるたんぱく質が基準値よりも多くなる「生理的たんぱく尿」が出ることもあります。例えば、腎臓の処理が追いつかないほどたんぱく質を過剰すると、一時的にたんぱく質が血液中に存在する状態になり、生理的たんぱく尿が出ることがあります。また、激しい運動をした後などは体内でたんぱく質が過剰に生成されるため、生理的たんぱく尿が出ることがあります。このように、たんぱく尿が出たらかといって必ずしも「腎臓に異常が起こっている」と断定できるわけではありませんが、たんぱく尿は腎臓の健康状態を評価する指標のひとつとして使われます。
腎臓の病気が原因でたんぱく尿が出ていると判断されたときは、一般的に薬物療法から治療が始められます。腎臓の病気には高血圧や糖尿病が関係していることもあります。高血圧の状態が続くと腎臓に負担がかかるため、高血圧がある人には降圧剤などが処方されることがあります。また、糖尿病がある人には、血糖値管理のための薬が処方されます。なお、腎臓の炎症を抑制するため、ステロイド剤が処方されることもあります。これらの薬物療法を基本としたうえで、塩分量やたんぱく質量を制限する食事療法が取り入れられます。
腎臓の健康を保つためには、腎臓へに負担を軽減することが大切です。上記でも説明したように、高血圧は腎臓に負担がかかるため、高血圧の人や血圧が高めの人は、まず血圧を適切に管理することから始めることをおすすめします。減塩を心がけ、肥満や高血糖も高血圧のリスクを高めるため、カロリー量・脂質・糖質の摂取量も適切に管理しましょう。また、ストレスが影響することもあるため、こまめにストレスを発散することも大切です。とくに持病がなく医師から食事指導・運動指導などをされていない場合は、適度な運動を習慣化することをおすすめします。
ただし、すでに高血圧・糖尿病・腎臓病など、何らかの病気の治療を受けている人は、状態に適した栄養管理・運動管理が必要になる場合があります。自己判断で食生活・運動習慣を見直すと状態が悪化する可能性があるため、必ず医師に相談したうえで見直しをするようにしてください。
生理的たんぱく尿のように、病気が原因ではない一時的なたんぱく尿もありますが、たんぱく尿は腎臓の病気のサインの可能性があります。また、腎臓の機能は高血圧・糖尿病とも深く関係しており、高血圧・糖尿病のリスクにも影響している可能性があります。健康診断などでたんぱく尿を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。