人工甘味料「ステビア」の安全性と食べるときの注意点とは!?

2018/5/7 記事改定日: 2019/6/24
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アイスクリームなどのお菓子やジュースに人工甘味料として使われている「ステビア」。このステビアは、どんな人が摂取しても安全なのでしょうか?ステビアも含めた人工甘味料の安全性や危険性と使用時の注意点についてお伝えしていきます。

人工甘味料「ステビア」は安全?

ステビアには、原住民が高血圧や心疾患の薬として用いてきた歴史があります。このため、近年では甘味料としてだけでなく、薬や健康食品としてのステビアの効果についても研究されるようになってきました。

実際、研究結果として、ステビアには降圧作用や血管の拡張作用があるとのデータが報告されています。今後はこのステビアの作用を利用し、高血圧、血管疾患、心疾患など生活習慣病の治療薬や改善薬として、応用されることが期待されています。

また、砂糖よりもカロリーが低く、少量で甘みを感じられるため、糖やカロリーの摂取が制限される糖尿病患者の治療にも、使用されることがあります。

日本国内でも広く使われている

少量で強い甘みを感じるだけでなく、低カロリーで、さらに熱や塩・酸に対しても強く加工に便利なステビアは、日本の菓子類や飲料などの加工に幅広く使用されています。

また、近年アメリカの飲料メーカーが実施した研究では、ステビアに含まれる物質「レバウディオサイドA」が甘味料として安全、とする報告が上がっています。この結果からも、ステビアそのものの甘味料として安全性の高さが推察できます。

ステビアは危険という説も?

日本では安全な甘味料として認められ、健康へのメリットも期待されているステビアですが、海外にはステビアの使用を危険視する意見もあります。

ステビアの使用を認めていない国もある

ステビアには、発がん性や不妊の誘因性が指摘されていた時期があります。また、実際に子供が摂取したときに性ホルモンの一種テストステロンが減少したとするデータがあることから、現在も子供や妊娠・授乳中の女性が摂取することの安全性を疑問視する声も残っています。

ほかにも、ステビアが体内に蓄積しやすい性質を持つことから、長期的な摂取が危険であるという見解の研究者もいます。

このため、海外では甘味料・食品添加物としてステビアの使用を禁止としている国も少なくないのです。

ステビアは毒性を持つの?

ステビアに含まれるステビオシドやレバウディオシドが体内に入り、腸内で分解されると、「ステビオール」という物質に変化します。このステビオールは、人の遺伝子情報に影響を与え、改変してしまう恐れを持つ「遺伝毒性」があるのではと言われているのです。このため、ステビアそのものへの毒性を懸念する声もあります。

かつては、遺伝毒性に加え発がん性も指摘されていましたが、これに対しては安全試験が行われており、現在では発がん性を高める可能性はないものと理解されています。

人工甘味料「ステビア」のメリットとは?

ステビアは、南アフリカや南米パラグアイなどを原産とする、キク科ステビア属の多年草ハーブを原料に作られる植物由来の甘味料です。一般的にステビアとして流通しているものは、このハーブを加工して粉末、または液状にしたものを指しています。

ステビアの甘味成分である「ステビオシド」は、ショ糖の200~300倍ほどの甘みがあるため、一般的な砂糖よりもかなり少ない量で、充分な甘みが得られます。

その歴史は古く、日本に初めて入ってきたのは1970年代ですが、ステビアの自生地であるパラグアイにおいては、既に16世紀にはマテ茶に入れる甘味料として使われていました。また、パラグアイの原住民族の間ではステビアは神聖な薬草として崇拝され、医療行為や呪術行為などに使われていた、という記録もあります。

その他にも、ステビアには、以下のようなメリットがあります。

甘みが強くカロリーが低い

一般的な砂糖に比べて、甘さが強く、かつカロリーは低い甘味料です。また、天然由来のため、人工甘味料よりもやさしい甘さを味わえるのも特徴です。

塩味、酸味の緩和

ステビアには「塩慣れ効果」という作用があり、塩辛さを緩和し、本来の塩分量に対して塩辛さを感じにくくさせてくれます。また、塩だけではなく酢などの酸味も和らげる効果があります。

虫歯になりにくい

ステビアは食べても虫歯の原因となる酸や、歯垢を厚くする作用のある「菌体外多糖」という物質の材料にもならないため、他の甘味料に比べ虫歯になりにくいとされています。

熱、低温に強い

ステビアは熱にも低温にも強いため、あたたかいお菓子や料理から、アイスクリームなど冷たいものまで、さまざまな食品加工に適しています。

食品の変色、変質を防ぐ

通常、加工食品は加工の過程で使用された塩や酢の作用で変色しますが、ステビアを入れておくことで、塩や酢による加工食品の変色を防ぐ効果が期待できます。

ステビアはどんな食品に使われている?

ステビアの強い甘みを活かして使用されている食品として、ジュースやアイスクリーム、ゼリー、ヨーグルト、乳飲料、フルーツ缶などが挙げられます。

一方、ステビアの塩味や酸味を緩和する特性を利用したものとして、醤油や味噌などの調味料、スモークサーモンやカラスミなどの魚介薫製品、甘酢生姜などの漬物などに使われています。

結局、人工甘味料は食べても大丈夫?使い方の注意点は?

ステビア以外の人工甘味料には、サッカリンやアスパルテーム、アドバンテームなどがあります。これらは、元来食品には存在しない人工的に合成した甘味料であり、「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」と謳われた飲食物に用いられます。これらの人工甘味料はカロリーが極めて低く、甘みがありながらカロリーを抑えた食品を作ることができます。

しかし、人工的に生成された成分であるため、当然ながら摂取しすぎると体に害を及ぼすこともあるので注意が必要です。最新の研究では、人工甘味料の摂りすぎは糖尿病発症のリスクを上昇させ、カロリーゼロであっても体脂肪が増加して太りやすくなることが分かっています。また、下痢や腹痛などの胃腸炎症状が現れることもあります。「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」は魅力的なフレーズですが、摂りすぎると逆に太ることもあるため、摂りすぎには注意しましょう。

おわりに:ステビアの安全性には諸説あるが、日本では安全性が認められている。ただし、摂りすぎには注意を

ステビアは低カロリーでありながら、少量で強い甘みを得られる自然由来の甘味料です。安全性には国や研究者によってさまざまな意見がありますが、少なくとも日本国内では安全な甘味料として認められ、幅広く加工食品に使用されています。どうしても危険性が心配な方は、食品の原材料を確認するようにしましょう。また、ローカロリーだからといって食べ過ぎないよう気をつけてください。

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