集合体恐怖症って?チェック基準や治療法について解説!

2018/7/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ハスの実などの小さな穴が集合したものや、ブツブツしたものを見たときにゾワッとしたことはありませんか?こういった集合体に対しては、多くの方が不快感を感じる傾向にありますが、過剰に恐怖を感じる場合は「集合体恐怖症」かもしれません。チェック基準となる症状や治療法について、解説していきます。

集合体恐怖症とは?チェック基準となる症状って?

集合体恐怖症(トライポフォビア)とは、小さなブツブツが密集した集合体に対して著しい恐怖を感じ、日常生活に支障が出てしまう恐怖症の一種です。

身近な集合体としては、ハスの実、蜂の巣、カエルの卵、コーヒーの泡などが挙げられます。これらブツブツしたものを見たときに、下記の症状が現れる場合は集合体恐怖症の可能性があります。

  • 集合体を見ると、非常に強い恐怖感を感じる
  • 集合体を見ると、震えや動悸、発汗、呼吸困難などの症状が出る
  • 集合体を見なくても、想像しただけで強い恐怖を感じる
  • 集合体を見るのが怖いために、引きこもりがちである

なお、集合体を見ると気分が悪くなる人は少なくありませんが、その程度が過剰ではなかったり、実生活に支障が出たりするレベルでなければ集合体恐怖症にはなりません。一般的な恐怖症の診断基準は、「特定の状態や対象に対し、一般的な常識から考えて過剰な恐怖を感じる」「恐怖症によって生活に支障が出ている」という2点を満たす必要があるからです。

集合体恐怖症の原因は?

集合体恐怖症の発症原因はよくわかっていません。ただ、近年では「寄生虫や伝染病に対しての潜在的な恐怖が発症に関わっている」という説が注目を集めています。

例えば、はしかや風疹などの伝染病は皮膚にブツブツした発疹を発生させます。また、ダニにかまれたときも皮膚には小さな穴があきます。これにより、ハスの実や蜂の巣などの形状のものは「感染源となりうるもの」と脳で認識されるために、過剰な恐怖感や身体症状を引き起こすのではと考えられています。つまり、本能からくる正常な反応ともいうことができるのです。

集合体恐怖症の治療法は?

先述のとおり、集合体に恐怖を感じるのは本能からくる正常な反応でもあります。そのため、集合体を見てゾッとするようなことはあっても、日常生活に支障が出ていないのであれば治療の必要はありません。実際、アメリカ精神医学会では集合体恐怖症は正式な恐怖症としては認められていません。

しかし、過剰な恐怖心があったり、仕事や外出などに影響が出るレベルであれば、何らかの治療が必要になります。具体的には、以下のような治療を行います。

認知行動療法
集合体を過剰に怖いと感じてしまう認知(考え方)の偏りを修正し、気分や行動を変化させる治療法。
暴露療法
集合体に対する恐怖心に少しずつ触れて慣れていくことで、恐怖心を軽減させる治療法。はじめは恐怖レベルの弱いもの(イチゴのツブツブなど)からはじめ、徐々に恐怖レベルの強いものへとシフトさせていく。
薬物療法
恐怖の程度が強い場合は、抗不安薬や抗うつ薬などの薬が補助的に用いられる。恐怖や不安にはセロトニン(脳内の神経伝達物質の一種。精神を安定させる作用がある)が関連していると考えられるため、セロトニンを増やす作用のある抗うつ薬がよく処方される。

おわりに:実生活に支障が出るレベルの集合体恐怖症は、専門外来で改善を

集合体を見たときに過剰な恐怖を感じたり、震えや呼吸困難などの身体症状が激しく出るのであれば、集合体恐怖症の可能性があります。集合体恐怖症を改善するには、薬を飲むだけでなく、認知行動療法や暴露療法などの心理療法を実施することが重要となります。お困りの方は、一度専門の心療内科やメンタルクリニックなどにご相談ください。

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