記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
がんやがん治療ではつきものといわれる「痛み」。強い痛みのために眠れず、体調を崩したり、気分まで落ち込んでしまうこともあるといわれますが、がんの疼痛緩和にはどんな方法が有効なのでしょうか?
疼痛緩和は、がん治療の一環として欠かせないケアのひとつです。がん患者さんの多くは、痛みや吐き気、倦怠感などの体の症状だけでなく、がんと診断されたことによる心のつらさも抱えています。また、がんそのものや治療に伴う痛みによって、毎日の生活がつらくなってしまうことも少なくありません。そこで必要なのが、疼痛緩和をはじめとする「緩和ケア」です。
がんやがん治療に伴う疼痛緩和の方法は、患者さんの痛みの程度や状態によって少しずつ異なったり、複数の方法を組み合わせたりします。
代表的な疼痛緩和の方法を、以下でご紹介します。
がんに伴う痛みの多くは、鎮痛薬の適切な投与によって緩和します。投与量は患者さんの状態によって異なりますが、基本的にはアスピリンやアセトアミノフェンなどの一般的な鎮痛薬が投与されます。
また、強い痛みがある場合には、モルヒネなどの医療用麻薬が投与されます。「麻薬」という言葉からネガティブなイメージをお持ちの人も少なくありませんが、がんの疼痛緩和には医療用麻薬の投与は役立つ場合があり、医師の指示のもと適切に使用している限り、依存症が生じることはほとんどないといわれています。
痛みのもととなる神経を麻痺させることで、痛みを感じにくくする注射です。
がんやがん治療に伴う不安が体の痛みを増幅させている可能性がある場合は、心療内科の医師などによるカウンセリングや、抗うつ薬の投与が有効なことがあります。
特に骨にがんが転移した場合は強い痛みを引き起こすため、放射線の照射によって痛みを緩和する場合があります。
痛む場所の周辺の筋肉が固まることで痛みが悪化するケースがあるため、マッサージや鍼灸で血流を改善することで痛みを緩和することがあります。
がんや治療に伴う痛みを長い間我慢していると、不眠や食欲低下、抑うつなど別の症状に発展し、治療効果がうまく得られなくなってしまう可能性があります。自分らしさを保ち、生活の質をキープするためにも、痛みを我慢せず医師や看護師に相談してください。適切な疼痛ケアによって、痛みの緩和が期待できます。
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