切れ痔は血がたくさん出る?どうすれば出血を抑えられるの?

2018/8/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

切れ痔で大量出血が起こることはあるのでしょうか?また、出血を抑えるためにはどうすればいいのでしょうか?切れ痔に伴う出血について解説していきます。

切れ痔(裂肛)になるとたくさん血が出るの?

切れ痔の出血は、トイレットペーパーに少し付着する程度の場合が多いとされています。また、切れ痔ができる肛門上皮には痛みを感じる神経が通っているため、排便時に痛みを伴うことが特徴です。排便後に何時間も痛みが続く場合もあります。

出血が止まらない痔って?

排便時に真っ赤な血液が出るいぼ痔は、血管の集結している内痔静脈叢という部分が大きくなってできたもので、強くいきむことにより吹き出すように出血します。出血の色は赤いことが多いですが、長時間直腸内に留まっていた出血が排出されると、赤黒い血液となることがあります。
また、いぼ痔は痛みを感じない部分にできるため、裂傷ができても排便時に痛みを感じることはありません。

切れ痔(裂肛)の出血や痛みはどうすれば治る?

基本的には、痔の症状の悪化を防ぐために食生活や排便習慣を改善する保存療法(生活療法)が中心となります。また、症状に応じて薬物療法を行います。
普段の生活では、以下のことに注意しましょう。

我慢しない
便意は、便が直腸の壁にある圧受容体を圧迫するときに脳に伝わるものです。
便意を我慢すると、その圧受容体の感覚が鈍くなり、便意を感じることができなくなってしまいます。
便を出し切ろうとしない
便意を感じたときは、直腸に便が来ている状態のため、最初のいきみでほとんどの便を排出することができます。残った僅かな便を出し切るためトイレに長時間いることは、肛門に負担をかけ痔の原因となるため、排便時間は3分以内にとどめるようにしましょう。
排便後は清潔に
排便後にトイレットペーパーで拭くだけでは、便を肛門の皺にすりこむだけで、清潔に保つことは難しいため、温水洗浄便座がある場合は活用して洗浄・乾燥を行うようにしましょう。
食物繊維をとる
食物繊維には、腸内で水分を吸収・膨らむことにより便の量を増やして柔らかくする効果があり、腸の蠕動運動を高めることができます。普段から下痢気味の人は消化しやすい食事を心がけましょう。
十分に水分補給をする
朝食をしっかりとる
朝食をとると、胃結腸反射と呼ばれる、活動休止していた腸が再び動き出す反応が起きます。空っぽだった胃の中に食べ物が入ることにより、夜間に溜まっていた便が直腸に送り出され、便意を促す効果があるのです。これは食事だけでなく、冷たい水や牛乳などでも同様の効果があるとされています。
アルコール類、香辛料を控える
アルコールや香辛料の過剰摂取は、肛門を刺激したりうっ血させる作用があり、痔を悪化させる原因となることがあります。
適度な運動をする
適度な運動は、腸の動きを活発にして排便をスムーズにする効果があります。
同じ姿勢は禁物
長時間同じ姿勢でいることで、肛門がうっ血しやすくなります。
毎日入浴する
カイロで温める
体が冷えることにより血行が悪くなると、下痢の原因となることがあるため、なるべく冷やさないようにしましょう。
また、肛門の力を緩め、おしりを温めることにより、痛みを緩和することができます。
ただし、患部が熱っぽい場合は冷たいタオルなどで冷やすようにしましょう。

おわりに:出血が多い場合は、切れ痔ではなくいぼ痔かも

切れ痔の出血は、トイレットペーパーに少し付着する程度の場合が多く、排便時や排便後に痛みを伴うことが特徴です。排便時に真っ赤な血が出て、痛みも特に感じない場合はいぼ痔の可能性があります。痔の症状の悪化を防ぐためには、食生活や排便習慣を改善する保存療法や、薬物療法、適度な運動や入浴などを行うことが大切です。

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