オスグッドでサポーターを着けるメリットは?つければ病気も治る?

2018/8/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

小中学生に多い、膝のオーバーユースによる成長期スポーツ障害「オスグッド」。このオスグッド対策で、サポーターを着けるとどのような効果があるのでしょうか?またサポーターだけでオスグッドを治すことはできるのでしょうか?

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オスグッドでサポーターを着けると得られる効果は?

オスグッド病(以降オスグッド)のサポーターで得られる作用は、サポーターのタイプによって違ってきますが、基本的には痛みの緩和や安心感・安定感を得るために使用されます。

ベルトタイプのものは、骨の変形部位(膝のお皿の下の痛みがある部位)を直接圧迫(厳密には痛みがある部位の少し上を圧迫)することで、大腿四頭筋が骨を引っ張る力を減らし、痛みを緩和します。
全体をおおうタイプのサポーターの場合は、膝の全体の動きを制限することで痛みが出にくくなります。

サポーターはオスグッド自体を治す効果があるわけではありませんが、痛みの再発の予防に役立ち、発症部位の負担を減らし、症状の悪化を防止することにも役立ちます。

オスグッドのサポーター選びのポイントは?

オスグッドサポーターは、ベルトタイプと膝全体をおおうタイプで、以下のような違いがあります。

ベルトタイプ
膝下の骨(痛みがある部位の少し上)を巻いて使用するベルト状のサポーター。
膝自体を固定しないため、動きやすいというメリットがある反面、動きが制限されない分、大腿四頭筋の筋肉にかかる負担はあまり変わらないため、大腿四頭筋が緊張しやすいことがデメリット。
全体を覆うタイプ
膝全体をおおうことで膝の動き自体が制限されるため、膝を少し曲げる程度でも痛みを感じる場合でも使用が可能。
安心感も高いが、使用時に動きづらいためパフォーマンスが低下することがデメリット。

上記のことから考えると、運動時にはベルトタイプ、膝を少し曲げるだけでも痛いときは全体をおおうタイプを選んだ方がいいように思われますが、実際に試してみて痛みが軽減するかを確かめた方がいいでしょう。
また、サポーターは間違った使い方をすると痛みが悪化することもあります。できればトレーナーなどプロに正しい使い方を指導してもらうことをおすすめします。

サポーターをしていれば、オスグッドは治る?

サポーターを使うことで症状悪化を防ぐことはできますので、回復の助けにはなるでしょう。ただし、サポーター自体にオスグッドの治療効果があるわけではありません。痛みが治まったからと過度に運動をしたり、運動後のストレッチを怠ったりすると、発症の原因である大腿四頭筋の緊張が強くなり、症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。

また、長期間サポーターを使うと膝周りの筋力低下を引き起こすこともありますし、動きが制限されてしまうためフォームが崩れてパフォーマンスが下がったり、姿勢が悪くなったりすることもあります。

運動時の痛みの抑えることや、ケガの防止・症状の悪化防止を目的にサポーターを使う分には問題ありませんが、必要のないときに使うことはおすすめしません。どのタイミングで使った方がいいかについては医師に確認をとり、リハビリや運動後のアフターケアをきちんと行うようにしましょう。

おわりに:サポーターの装着にはデメリットもある。正しく使おう!

サポーターを装着すると、オスグッドによる痛みを軽減したり症状の悪化を防ぐことができます。しかし、必要でないときまでサポーター使用していた、必要以上に長い期間使い続けてしまうと、筋力低下や姿勢が悪くなるなどの不具合が起こることがあります。いつ、どのように使えばいいかを必ず医師に確認し、指示通りに治療を続けていきましょう。

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