記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
オスグッド(オスグッド病)は子供に起こる成長痛です。この記事では、子供がオスグッドになってしまう原因について説明しています。オスグッドの痛みの原因を理解して、リハビリや再発防止に役立ててください。
オスグッド病(以降オスグッド)による痛みは成長痛といわれることもあるように、急激な成長より引き起こされます。
オスグッドは、脛骨粗面という膝のお皿の下の骨が大腿四頭筋に引っ張られることで発症しますが、子供のころはこの部分の骨は軟骨状でやわらかいため(成長軟骨と呼ばれます)損傷しやすく、ひどいときには変形してしまうことがあります。この状態をオスグッド(オスグッド病)といいます。
また、成長期に骨の成長速度に大腿四頭筋の成長速度が追いつかなくなってしまうと、バランス的に大腿四頭筋の長さが短くなってしまい、大腿四頭筋の緊張が高くなってしまいます。すると脛骨粗面にかかる負担が大きくなってしまうことも、子供がオスグッドを発症してしまう原因です。
上記で説明したように、オスグッドの原因は大腿四頭筋の過緊張にあります。そのため、運動をするしないに関わらず、普段から大腿四頭筋の柔軟性を高めるためのストレッチを行うことが大切です。
大腿四頭筋は太もも前側の筋肉なので、とくに念入りにストレッチを行いましょう。ただ、ストレッチ時には脛骨粗面に牽引力が働くため、痛みを感じる場合があります。反動をつけたストレッチや脛骨粗面に痛みを感じるほどのストレッチはかえって逆効果です。
そのようなときは、マッサージで筋肉の緊張を緩和しましょう。
また、太ももの前側だけでなく、太ももの裏側、ふくらはぎ、お尻の筋肉などの柔軟性も、膝の動きに関係しているので、一緒にマッサージやストレッチをするようにしてください。
大人のオスグッドは、成長期に剥離した骨が残っている場合、また成長期に剥離寸前だった骨が大人になり剥離した場合などに起こる可能性があります。また、太もも前面の筋肉が硬いと膝下部分を強く引っ張るようになるため、痛みが起こることがあります。
大人のオスグッドも大腿四頭筋の筋緊張が主な原因です。太もも前面の筋肉をストレッチしたりマッサージすることで痛みか緩和できることがあります。一時的な痛みであれば、痛み止めや消炎鎮痛剤配合の湿布剤を使って痛みが治まるまで安静に過ごしてもいいでしょう。
ただし、骨の変形の度合いや剥離した骨の状態によっては、骨を削ったり剥離した骨を取り出す手術が必要な場合があるので注意が必要です。
しばらく安静にしていても痛みが良くならない場合は、早めに整形外科で診てもらいましょう。
オスグッドの症状を緩和するためには、消炎処置、テーピング、柔軟性向上、正しい動き方や姿勢の練習、活動制限などが重要となります。また、大人になっても痛みがある場合もストレッチやマッサージで緩和できることがありますが、特別な治療が必要になることもありますので、なるべく整形外科で治療してもらいましょう。
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