記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
睡眠不足が原因で微熱が起こることはあるのでしょうか?また、どうすれば熱が下がるのでしょうか?
この記事では、睡眠不足により起こる微熱について解説していきます。病院での治療と自分でできる改善方法も紹介していくので、思い当たる微熱がある人は参考にしてください。
日中に溜まった疲れやストレスを回復するためには、十分な睡眠が必要です。睡眠不足の状態が続いてしまうと、疲労がどんどん蓄積してしまうだけでなく、脳を休めることができなくなり、ストレスもどんどん溜まってしまうのです。
そして「十分に睡眠できていないこと」自体もストレスになってしまうという負のスパイラルに突入してしまい、すぐには解消できないほどストレスが蓄積してしまう状況に陥ってしまうこともあります。
このような状態が続いてしまうと、やがて原因不明の発熱が起こることがあり、このことを「ストレス性高体温症(心因性発熱)」と呼びます。
主な症状として、37度前後の微熱の持続、だるさ、めまい、悪寒などが起こるとされており、ときには38度以上の高熱が見られる場合もあります。
病院で処方された風邪薬を服用しても熱が下がらないことが多く、症状が改善できないと悩みを抱え込んでしまい、さらに心身を病んでしまうこともあるようです。
なお、発熱の原因には感染症をはじめとして多くの原因があり、睡眠不足をはじめとするストレスが熱の原因と結論づける前にはそれらをすべて除外する必要がある点に注意が必要です。
睡眠不足により起こる発熱は、ストレスが交感神経の働きを過剰に活発化させてしまい、自律神経のバランスが乱してしまうことが原因といわれています。
そして、睡眠不足が原因で起こる発熱は、風邪で起こる発熱と発生の仕組みが違うため、風邪薬では効果がみられないことが頻繁にあります。
これは、ストレスが原因の発熱は、細菌やウイルスの感染により起こるものではないため、一般的には風邪をひいたときのようにサイトカインやプロスタグタンディンE2が産生されないことが原因です。
そのため、シクロオキシナーゼと呼ばれるプロスタグタンディンE2を作り出す酵素の産生を阻害する働きのある解熱鎮痛剤を投与しても、効果が得られません。
睡眠不足によるストレスが原因の心因性発熱の治療では、原因となるストレスの解消が第一です。
病院では、以下の3つの治療をすることがあります。
また、不眠や睡眠障害のある人には睡眠導入剤が用いられ、ストレスに関係して起こる頭痛や腹痛などの症状がある場合には、それに対する薬剤を併用します。
小中学生の場合は、心因性発熱に伴い起立性調節性障害が見られることが多いため、メトリジン®(ミドドリン)を使用した治療を行うことがあります。
そして、同じ睡眠時間でも質の良い睡眠を取れるように、熟睡できる環境を整え、生活習慣を見直す必要があります。
入眠をスムーズにして、睡眠の質を向上させるためには、副交感神経を優位に保つことが重要です。
以下のことを参考にしながら、リラックスできる時間を作るようにしましょう。
睡眠不足の状態が持続してストレスが溜まっていくと、やがて原因不明の発熱が起こることがあります。睡眠不足による微熱を治すためには、原因となるストレスの解消、睡眠の質や生活習慣の改善などを行うことが大切です。
リラクゼーションを取り入れ、寝具を見直し、時間の使い方を工夫しながら、少しずつ改善していきましょう。
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