記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
夏の時期に見られる風邪を「夏風邪」といいますが、今回はこの夏風邪の特徴、原因、治療法、予防法などをご紹介します。
真夏を過ぎても夏風邪はよく見られるので、ここで予防策などを身につけて、健康的な毎日を送るために役立てましょう。
夏風邪の特徴には「37.5度前後の微熱が長引きやすい」というものがあります。また、腹痛や下痢、のどの腫れ・痛みなどの症状も現れやすいです。いずれの症状も穏やかではあるものの、長引く傾向があるので注意が必要です。
なお、場合によっては肺炎や(稀ですが髄膜炎、脳炎)などを合併する恐れもあるので、体調が悪いときは無理をせずにゆっくりと休みましょう。
夏風邪が長引く理由はいくつかありますが、その一つに「夏風邪のウイルスにはお腹の中で増殖するものが多い」ことが関係しています。お腹の中でウイルスが増殖してしまうと、排出するまでに時間がかかってしまい症状が長引いてしまうのです。そのほか、夏の時期は体力や免疫力が落ちていたり、有効な治療薬がなかったりすることも関係しています。
夏風邪の原因には「エアコンの使いすぎ」が関係しているといわれています。なぜなら、エアコンを使いすぎると、免疫力が低下したり、粘膜が乾燥したりするからです。それでは、エアコンと夏風邪の関係性について確認してみましょう。
エアコンを使いすぎたり、涼しい部屋で長時間過ごしたりすると、身体が冷えてしまいます。その結果、免疫力の低下や胃腸機能の悪化が起きてしまい、夏風邪を引きやすくなってしまいます。さらに、室内と室外の温度差が大きくなると自律神経が乱れやすくなり、それに伴って上手に体温調整ができずに、身体を壊しやすくなってしまうのです。
本来、粘膜は細菌やウイルスをくっつきにくくする働きがあります。しかし、エアコンを使いすぎると、室内の空気が乾燥してしまい、それに伴って身体の粘膜も乾燥気味になってしまいます。その結果、ウイルスが入り込みやすくなり、夏風邪に繋がってしまうのです。
夏風邪を引いてしまっても、原因のウイルスに直接作用する薬はありません。そのため、自然治癒による回復が基本になります。十分に安静にしておけば、3日程度で改善に向かいます。そのため、体調が悪いときはしっかりと睡眠を取り、身体を休ませましょう。
ただし、身体が痛んで眠れないなどの症状がつらくて生活や睡眠に支障がある場合は、鎮痛剤を服用するなど、症状に合った治療を行うことも大切になります。そのほか、夏の時期は脱水症状になりやすいので、食欲がなくても水分補給には気をつける必要があります。その際、なるべく常温の飲み物を選ぶといいでしょう。
できることなら夏風邪を引かずに、健康的な生活を送りたいものです。そこで、夏風邪を予防するためのポイントをご紹介します。「身体を冷やさない」「乾燥を防ぐ」「ウイルスに接触しない」という3つが必要になるので、それぞれについて確認してみましょう。
身体が冷えてしまうと免疫力が低下してしまうので、なるべく身体を冷やさないことが大事です。たとえば、エアコンの設定温度を26~28℃にする、お腹にはブランケットをかけるなどがあります。また、職場や飲食店などが涼しい場合もあるので、外出時には上着を持っていくのもオススメです。そのほか、なるべく冷たい飲料・食事を控えるといいでしょう。
粘膜が乾燥してしまうと夏風邪を引きやすくなってしまうので、エアコンの使いすぎなどにも気をつけるようにしましょう。また、軽いのどの痛みを感じている場合は、「濡れマスク」を使うのもいい方法です。なお、マスクを使う場合は定期的に交換して、常に清潔なものを着用するように心がけてください。
夏風邪を予防するためには、ウイルスとの接触を避けることも大切です。代表的な方法には手洗い、うがいがあります。とくに人ごみなどに出かけた後には、しっかりと手洗い・うがいをしましょう。さらに、目からの感染を防ぐために、目薬をさすのもオススメです。
夏風邪は長引きやすいため、違和感を覚えた段階で早めに安静にすることが大切です。また、予防のためには生活環境を整えることも重要だといえます。とくにエアコンの使いすぎが夏風邪の原因になっている可能性があるので、身体を冷やさないようにしたり、粘膜の乾燥を防いだりすることを意識するよう工夫しましょう。
この記事の続きはこちら