低血糖の原因は?糖尿病じゃなくても低血糖になるって本当?

2018/10/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「低血糖」というと、糖尿病患者が発症する症状と思われがちですが、実は糖尿病患者でなくても低血糖症状を起こすことはあります。具体的にどのような人が起こしやすいのかや、対策などを解説していきます。

低血糖ってどんな症状?

低血糖とは、血糖値が下がった状態のことをいいます。一般的には低血糖症状があってもなくても、血糖値が70mg/dLより低い場合、または血糖値が70mg/dLより高くても、低血糖症状のある場合を低血糖と呼びます

低血糖の症状は血糖値によって異なります。70mg/dL以下になると、交感神経症状である冷や汗、不安感、手や指の震え、頻脈、顔面蒼白といった症状が出現します。
さらに血糖値が下がり50mg/dL程度になると、中枢神経症状である頭痛、集中力の低下、生あくび、目の霞みといった症状が見られます。
50mg/dL以下となると異常行動、けいれん、昏睡などが見られ、命にも危険を及ぼす可能性があります。

また、無自覚性低血糖といい、血糖値が下がり始めた70mg/dLのときに症状が出現せず、気が付いたら命の危険を及ぼすほどの値にまで血糖値が下がってしまっているケースもあります。

糖尿病の人に低血糖症状がみられる原因は?

低血糖は糖尿病の人に多く見られる症状です。それでは、糖尿病の人はなぜ低血糖症状が見られるのでしょうか。

その原因は、糖尿病治療薬を使用した後に食事をするのが遅くなる、運動の量や時間が多いもしくは空腹時に運動をする、インスリン注射や飲み薬の量が多かったということがあります。糖尿病の人のなかでも、減量のために食事を減らしている人や腎不全の人、肝疾患を有している人や高齢者でスルホニル尿素薬を使用した人は低血糖を起こすことがあります。

糖尿病じゃなくても低血糖になるって本当?

実は糖尿病でなくても低血糖を起こす人もいます。糖尿病ではないのに低血糖を起こしてしまう原因としては、大量の炭水化物や動物性たんぱく質の食事後の反応性低血糖、アルコール、タバコ、コーヒーあるいはカフェイン含有清涼飲料水の過剰摂取、ビタミンやミネラルの摂取不足、ストレスが考えられます。

また、低血糖を起こしやすい体質というのもあると考えられており、胃下垂や胃酸過多の人や貧血体質、先天的な糖尿病体質や膵臓の機能障害、アレルギー体質、自律神経失調症、甲状腺機能障害、酵素の働きの為に、補酵素として普通の人の10倍から数十倍のビタミンを必要とする体質の人は低血糖を起こしやすいといわれています。
さらに、高脂血症、高尿酸血症の人も低血糖を起こしやすいと考えられています。

低血糖の症状から身を守るために

重篤になれば命にも危険を及ぼす低血糖から身を守るためには、どうすればよいのでしょうか。

まずは薬の量や食事療法について一度かかりつけの医師に相談することが大切です。その上で生活を見直していくことがポイントとなります。

また、運動習慣がある人は運動についても見直す必要があります。空腹時の運動を控えたり、長時間の運動や負荷のかかる運動は血糖値を測定し、血糖値の状態を見てから行うと良いでしょう。

そして食事については過食を控え、少量を頻回に食べるような食事の仕方に変えましょう。食事と食事の間を長く開けないように注意し、ゆっくりとよく噛んで食べ、バランスのとれた食事にすることも大切です。空腹時に食事を摂る際にはタンパク質、サラダ、炭水化物の順に食べるようにするのがおすすめです。

また、飲酒や喫煙も低血糖に繋がる因子となるため、控えるのが良いでしょう。極力添加物を避け、ビタミンやミネラルを多く含む食生活に切り替えることも低血糖を防ぐのに有効な方法です。

おわりに:生活習慣を見直して低血糖を予防しましょう

低血糖は糖尿病の方に起こるイメージが強いかもしれませんが、糖尿病でなくても罹患している病気や体質によって低血糖になることはあり、血糖値が50mg/dLを下回ると生命にも危険を及ぼす可能性があります。
ただ、食事や運動習慣を見直すことで低血糖が予防できることがあります。糖尿病でないのに低血糖を起こしたことがあるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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