低血糖状態に陥るのを予防するために、どんなことをすればいいの?

2018/10/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

低血糖を予防するためにはどうすればいいのでしょうか?そもそも低血糖になるとどうしていけないのでしょうか?低血糖の症状や予防方法について解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

低血糖ってどんな状態?

低血糖に陥ると、段階ごとに以下の症状が現れるようになります。

軽度
強い空腹感、眠気(生あくび)、むかつき
中度
冷や汗、ふらつき、動悸、手指の震え、頭痛、目のかすみ、顔面蒼白
重度
意識レベルの低下、異常行動、けいれん、昏睡

低血糖を引き起こすものとして

  • 一部の血糖降下薬やインスリン注射の効き目が強くなり過ぎて、体内のインスリン量が増加した場合
  • 食事量が少ない
  • 運動量が多い
  • 重度の肝機能障害によって糖新生(肝臓がアミノ酸などから糖を生み出すこと)がうまく機能しない

などがあります。

低血糖に陥っちゃいけないのはどうして?

乳幼児の低血糖になると、知能低下や性格変化の原因となることがあります。
成人の場合は、低血糖になると精神機能障害、狭心症発作、不整脈、硝子体出血を引き起こすことがあります。

また、血糖値が上昇した時に不快感や体調不良が起こり、上昇した後もそれらの症状が残ります。とくに

  • トイレの中
  • 一人暮らし

など、他の人がいない場所で低血糖になると、処置が遅れる可能性が高くなるため危険です。
そのほか、深夜に低血糖になると睡眠が阻害されやすくなるだけでなく、適切な処置が難しくなることが多いといわれています。

そして、低血糖になると体が血糖を上昇させるためにホルモンが過剰に分泌されたり(ソモジー現象)、血糖値を上げるために補食をし過ぎてしまうことで高血糖になりやすくなるので注意が必要です。

命の危険

血糖上昇ホルモンは何種類もあり、通常はインスリンに対抗する作用が働くため、生命が危険にさらされる可能性は低いですが、以下のような場合に低血糖になると注意が必要となります。

  • アルコールを摂取したとき
  • 合併症や自律神経障害があるとき
  • ロッククライミング中、単独登山、一人で泳いでいるなど周囲に人がいないとき
  • 高速道路での自動車運転中
  • インスリンを超大量に注射したとき

低血糖はどうすれば予防できる?

糖尿病患者の場合は、風邪や疲労と低血糖症状を区別したり、シックディ(糖尿病患者が感染症にかかることにより食事が正常に摂れなくなるとき)のインスリン量調節のためにも、血糖自己測定をする必要があります。
※ただし1型糖尿病の場合は、自己測定血糖値から推測をすることは難しいとされています。

血糖自己測定をする際には以下のようなことに気をつけて、測定を行いましょう。1日4回以上、食前や就寝前に血糖自己測定を行いましょう(特に、治療、基礎レート、インスリン炭水化物比などの設定を変更した際には、必ず血糖値を確認するようにしましょう)。

また、下記のことを心がけることも、低血糖予防のために重要です。

    就寝前と運動後の追加注入の量は控えめにしましょう。
    基礎レートの設定が適切であるかどうかを判断するために、低血糖症状の有無に関わらず、食後および午前3時の血糖値は定期的に確認しましょう。
    持続グルコースモニタ(CGM)で血糖変動パターンを定期的に確認しましょう。定期的に確認することで、自己測定では見落としていた低血糖や高血糖の発見に役立ちます。

おわりに:血糖自己測定で血糖コントロールを確認しましょう

低血糖とは、血糖降下薬やインスリン注射の効き目が強くなり過ぎて体内のインスリン量が増加したりしたことで、血糖をエネルギー源として働く脳や、様々な臓器に影響を及ぼした状態のことです。低血糖を予防するためには、血糖自己測定を行って血糖コントロールが安定しているかを確認することが大切です。

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