記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
大腸の病気が疑われる場合、実施されることがあるのが大腸の「内視鏡検査」ですが、具体的にどういったことをする検査なのでしょうか。また、検査後に出血することはあるのでしょうか。
大腸は、小腸で吸収された残りの腸内の内容物を水分を吸収しながら大便に変える部位で、結腸と直腸肛門を合わせ約2mの長さがあります。
「大腸内視鏡検査」は、大腸全体と小腸の一部を観察する精密な検査方法で、これらに発生したポリープやがん、炎症などを診断することができます。同時に、組織の一部をとって調べたりポリープや早期大腸がんを切除することも可能です。
大腸内視鏡検査でわかる病気は、50歳代くらいから増加する「大腸がん」「大腸ポリープ」、炎症によって腸に潰瘍ができる「炎症性腸疾患(クローン病)」、「潰瘍性大腸炎」、大腸粘膜の一部が袋状に腸壁の外に突き出た大腸憩室(けいしつ)が多発する「大腸憩室症」、大腸粘膜の血のめぐりが悪くなり炎症や潰瘍を生じる「虚血性腸炎」など多岐にわたり、特に大腸がんの早期発見にもっとも有用な検査方法といわれています。
問診の後、まず事前に腸管内をきれいにするため、検査の前日から食事を控えて当日は洗浄液(下剤)を飲用するなどの前処置が必要です。
検査は、検査着と検査パンツに着替えて検査台の上で横になり、必要に応じて腸管の緊張をやわらげる薬や鎮痛薬、鎮静薬を注射します。先端にカメラを装着した太さ11~13mm程度の細長く軟らかい管を肛門から入れ、大腸全体と小腸の一部の内側を診ていきますが、観察の精度を高めるために空気を送って腸管を膨らませるため腹部の張りを感じることがあります。
病変が疑われた場合には、色素を散布したり特殊な光をあてる、拡大して観察するなどし、組織の一部を採取したりポリープを切除して顕微鏡で調べる場合もあります。検査時間は人により多少違いますが、およそ30分程度です。
組織を採取した場合、まれに組織をつまんだ部位から出血することがありますので、検査当日は激しい運動はせず安静にするようにしましょう。組織やポリープをとった人は医師の指示により、一定期間消化の良い食事をし、刺激物や脂っこいもの、アルコール類は避けるようにします。しばらく激しい運動はひかえ、お風呂も長風呂は避けてシャワー程度にするのが無難です。
検査後は便に少量の血が混じることがありますが、出血量が多くなかなか止まらない場合や痛みが続く場合には、検査施設に至急連絡するようにしましょう。また、検査や下剤の影響でまれに出血や穿孔、腹痛を起こすことがあります。その場合には入院や緊急の処置、手術が必要となる場合があるので、すぐに検査施設に連絡してください。
大腸の内視鏡検査は、先端にカメラのついた管を肛門から挿入し大腸と小腸の一部の内側を観察・診断する精密な検査です。必要に応じて、その場で病変の疑いのある組織を採取して調べたり、切除術も行うことが可能で、そのような場合には出血に留意することが必要です。まれにですが出血量が多くなかなか止まらない、痛みが続くといった場合があります。そのようなときには検査施設に至急連絡してください。
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